雲一つない澄み切った
夜明け前の空が広がっていました
藍色と茜色のコントラストがとても綺麗な朝でした
朝食の準備をして食べはじめた所
父の携帯に着信が有りました
彼のガラケーの着信音は
オルゴールタイプのJupiterです
その歌詞を胸の中で歌いながら
涙がとめどなく流れました
その着信が
｢どこからか｣とか
｢誰からか｣とか
｢何の要件か｣とか
そんな事は言わずともわかります
支度をして20分位で病院へ行ける旨父が伝ると
｢コロナ禍なので立ち会いは2名まで｣との事で
父と長姉が病院へ向かいました
気持ちを落ち着かせながらKちゃんにLINEを送り
無意味に玄関先を掃除して
これから沢山の人が集まるだろうから
お茶の茶碗と茶托を準備して……
着信をもらった約30後
母は旅立ちました
父と長姉ともに臨終には立ち会えた
………との事でした
こうして
家族一緒に薄氷を踏む思いで過ごした日々は
終わりを告げたのです
エンゼルケアと湯灌をして頂いた後
母と一緒に自宅に帰って来るとの連絡を受け
私と残された家族が見たものとは
…
……
…………とんでも無ぇ汚部屋ですよ！！！
年末の大掃除で他の所は何もしないで良いから
仏壇だけを綺麗にしてね～
と、お願いしていたはずなのですが
ホコリまるけですよ？
見ろ！人がゴミのようだ！！！(逆ギレ)
紫檀の仏壇にやたら飾られた不審な造花達をどけたら
雪でも降ったような有り様ですよ？
もーー！！
お母さーーーん！！！！
造花飾ってないで雑巾かけて～(T‐T)
それを木の葉でちょいと被せ～♪
……じゃねーよ！！！！
そう言えば
母は掃除と洗濯と炊事が大嫌いなヒトでした
………平たく言うと……家事全般な(笑)
甥っ子達も手伝ってくれて人海戦術で片付け開始
16畳の和室はここ数年かつてないほど綺麗になり
ここはどこの公民館ですかよ？
と言うくらい綺麗になりました
残った家族で片付けながら
失ってしまった悲しみに浸りつつも
そこかしこに残るズボラな母の片鱗を見ては
涙が滝のように出たり
秒で引っ込んだり
……本当に愛おしくおかしな時間でした
10時過ぎに葬儀屋さんの車で
母が自宅へと戻って来たのですが
ストレッチャーから下ろされる母は
母だけれども母ではないと思えてなりませんでした
訃報を聞いても不思議と涙は出なかったのですが
母の横たわった姿を見て号泣しました
コロナ禍なので家族葬かと思っていたのですが
父の希望で一般葬となりました
三連休と友引を挟むので
亡くなったのは月曜日
通夜は金曜日
火葬 告別式は土曜日
日程に間がかなり開き
母と過ごす時間が沢山取れたので
何とか気持ちが落ち着きました
もーさー
寝てるだけだと思ってこのままでいいじゃん？
……的な事まで考えるあたり何処が冷静かと(笑)