10月~3月の間は、毎月1回、ちょっと変わったお鍋料理をお出しする「今月の鍋」を実施しています。
12月の鍋は、豆乳味噌鍋でした。
味噌で味をつけた豆乳ベースのスープで、豚バラ肉、ニンジン、シメジ、水菜、白菜、長ネギ、木綿豆腐を煮込んだ、と~っても美味しいお鍋です。
豆乳なので、こくがすごいんですよ。
しかも豆乳のとろみのおかげでアツアツです。
寒い日に食べると、体の芯から温まるお鍋です。
ご入居者様には、豆乳鍋をご存じない方が多く、
最初は白い汁の鍋を見て、
「何だい、これは?」
と怪訝そうな顔をしていたのですが、
一口食べてみれば、そのコクと旨味とアツアツさに魅せられてしまったようです。
でも不思議ですよね。
クリームシチューはご入居者様もお馴染みの食べ物で、お好きな方も多いです。
クリームシチューも、見た目は白い汁です。
白いスープでお肉や野菜を煮込んだ物です。
こちらは当たり前なのに、同じ白い汁で煮込んだお料理でも、和食の鍋が白いと、とたんに怪しい物のように感じるんですから。
ちなみに、うちの施設長は、30年以上前に、奈良県で、郷土料理の飛鳥鍋を食べたことがあるそうです。
飛鳥鍋は牛乳で煮込んだ鍋です。
当時は豆乳鍋は全く知られておらず、施設長にとって、白い鍋は未知の物。
最初はやっぱり、飛鳥鍋をなかなか食べる気になれなかったそうです。
でも食べてみれば、和風クリームシチューという感じの美味しさ。
「クリームシチューなら当たり前なのに、牛乳鍋と聞くとゲテモノのように感じちゃうんだから不思議だよね。」
と笑っていました。
私たちにとっては豆乳鍋は当たり前なので、白い鍋をゲテモノに感じる感覚は理解できませんが、
見たことのない食べ物に警戒心を示すのは、ご高齢者様も若い人も変わらないんですね。