毎月1度、ちょっと特別な旬のお魚を味わって頂く「旬魚ご膳」シリーズ。
今月は、甘鯛でした。
甘鯛の西京焼きです。
皆さんは甘鯛というお魚をご存じでしょうか?
こうして、切り身の西京焼きになると、ごく普通のお魚に見えますが、ちょっと変わった形のお魚なんですよ。
ね、変わった形で書。
頭がざくっと切り取られたような形で奇妙な感じです。
とても美味しそうに見えないのですが、これがとっても美味しいんですよ。
だから、実は鯛よりも高級魚なんです。
特に干物(一夜干し)は、とってもお高いんです。
ちょっと不思議な話なんですが、生の甘鯛よりも、甘鯛の干物の方がお高いんですよ。
しかも、人気があるために、手に入りにくいんです。
実はうちのホームでも、7~8年前までは、調理主任が頑張って、甘鯛の干物を調達していたのですが、とうとう取引先の魚屋さんが悲鳴をあげちゃったんです。
とても、120名分の甘鯛の干物を揃えるのは無理だって。
無理な物は仕方ありません。
それ以来、甘鯛の西京漬けか、塩焼きをお出ししています。
ところで、甘鯛は関西の方が人気があり、関東ではそれほどでもありません。
関西では甘鯛を「ぐじ」と呼びます。
特に高級とされるのが、福井県から京都の沿岸にまたがっている若狭湾で採れたもので、「若狭ぐじ」と呼ばれています。
そして、若狭ぐじを、若狭地域の郷土料理、若狭焼にしたものが超人気だそうです。
これが、甘鯛(ぐじ)の若狭焼です。
若狭焼は、うろこをつけたまま焼く、難しい調理法だそうです。
本ブログで何年か前に書いたんですが、漫画「美味しんぼ」では、甘鯛の若焼きを扱ったエピソードがあります。
ご関心のある方はぜひ探してみてください。
さて、今月の「旬魚ご膳」は甘鯛でしたが、他の月はどんなお魚をお出ししているのか、最後にまとめておきます。
1月 ハタハタ
2月 カサゴ
3月 ニジマス(今年は桜エビ)
4月 メバル
5月 アイナメ
6月 トビウオ
7月 イサキ
8月 鮎
9月 ハゼ(今年はメゴチ)
10月 舌平目
11月 アマダイ
12月 アンコウ
皆さんは幾つ召し上がったことがありますか?