今週、ご夫婦で入居されているご入居者様お二人の外出行事を実施しました。
実は、ご主人がご病気で、余命が限られたご状態です。
最期にもう一度、ご夫婦で何回も訪れた、思い出の海岸を見たいとご希望されたのです。
そのご主人は、もう起き上がることができないご状態ですので、ストレッチャーに乗っての外出です。
※ストレッチャーとは、キャスター(車輪)がついたタンカみたいな物です。医療ドラマでよく出てきます。
ストレッチャーのまま、リフトを使って乗り込めるタイプの車、さくらの里山科6号車を使いました。
そして、奥様も車椅子が必要なご状態です。
さくらの里山科6号車は、ストレッチャーを乗せると、他に車椅子は乗りませんので、奥様はもう1台、別の車に乗って頂きました。
奥様には、スロープを使って車椅子のまま乗り込める、さくらの里山科2号車に乗って頂きました。
従って、運転する介護職員2名、奥様に付添う介護職員1名、ご主人に付添う看護師1名、総勢4名の職員を動員し、車2台を使った、厳重体制での外出行事になりました。
ご夫婦で思い出の海岸を訪れ、一緒に過ごした時間。
残念ながら、お二人で海岸を訪れるのは、これが最期になると思います。
お二人の目には、どのような光景が写ったのでしょうか。
帰ってきて報告した時、施設長が、
「私も妻と一緒に、将来、こういう最期を迎えたい」
と言っていました。
この外出行事を企画したのは、数年前に結婚したばかりの若いユニット長です。
彼は、夫婦で過ごす最期の時を、どのように感じたのでしょうか?
ご高齢者様の人生の最期の時間に寄り添い、輝かせる。
それが介護のお仕事です。
※ご主人の余命は限られている状況ですが、医師から余命宣告は出ておらず、まだ危険な状態ではありませんでした。外出すること自体に、体力的な問題はありません。
※さくらの里山科から海岸まで、車で15分程。移動による体力的な負担も大きくない状況です。
※その海岸は、この時期の平日には人気がなく、誰にも会わずに散策できる状況です。従って、感染リスクもないことを考えて、外出行事を行いました。実際に海岸では誰もいませんでした。
※海岸沿いの駐車場から海を見ました。砂浜には降りていません。駐車場内の散策ですので、ストレッチャーや車椅子での移動も危険はありませんでした。
※写真は全てイメージです。ホームが撮影した写真ではありません。
※このような外出行事の実施をご批判される方も当然いらっしゃると思います。そのご批判も正しいと思います。全ての老人ホームが同じことをしている訳ではありません。これはあくまで、さくらの里山科の考え方であることをご了承下さい。