今日のお昼は、特養ホームとしては超レアなベルギー料理。
ご入居者様も初めて召し上がる方が多かったと思います。
その反応はいかがなものだったでしょうか?
なに、これカラス貝じゃないの!?
そうなんですよね~。ムール貝ってカラス貝の仲間なんですよね。
外見ではカラス貝と全く区別がつきません。
カラス貝なんて食えるかよ!
多くのご入居者様がそういう反応でした。
無理もありません。
ここ横須賀は海に囲まれた町です。
それも、砂浜よりも防波堤や港が多いんです。
防波堤にはびっしりとカラス貝がついています。
特に海の水質汚染がひどかった1960年代~70年代にはとても多かったんです。
カラス貝は汚い海に強いので。
だから、横須賀に昔から暮らしていた人にとって、カラス貝って、汚い海の象徴みたいなイメージなんですよね。
でも、皆様、こわごわとムール貝を口に運んだら…
なんだい、けっこう美味しいじゃないの。
カラス貝ってこんなに美味しいものだったの!?
いえ、だから、それは、カラス貝じゃないんですよ。
カラス貝にそっくりですが、ムール貝という別の物なんです。
けっこう高級なフレンチ食材なんですよ。
そうなの、これはカラス貝じゃないの。
ムール貝っていうの。
初めて聞いたけれど、なかなか美味しいもんだね。
そうでしょ~、ありがとうございます。
最初はくどそうに見えたけれど、食べてみると美味しいね。
これはベルギー料理献立全体に対するご感想です。
ベルギー料理のおかげで、またご入居者様に新しい食の体験をして頂くことができました。
新しい食の体験は、五感を刺激してくれて、ご入居者様をいきいきとさせてくれます。
認知症の進行予防にもつながります。
何よりも、なかなか自由に歩くこともできず、いくら外出行事が多いうちのホームでも、普通に暮らしている人に比べれば外出の機会ははるかに少なく、いくら趣味活動やイベントが多いうちのホームでも、どうしても基本的な生活は変化や刺激が普通の人に比べればはるかに少ないご入居者様にとって、新しい体験は、生活の変化をもたらし、心身を活性化してくれます。
カラス貝という、食べられない物に良く似たムール貝が美味しかったなんていう体験は、もう最高です。
また、とってもいい献立が生まれました。