皆さん、こんにちは。今回は僕の大好きなウィンターソング「MAGIC SNOW」を採り上げました。リトグリのインディーズ時代からある曲ですが、今なおガオラーうちでも根強い人気を誇っている名曲です。Youtubeとかでも音質の良いものはあがっていないので、聴いたことのない方は、ぜひCDやダウンロードで直接この素敵な歌声を聴いていただきたいと思います。
MAGIC SNOW 英訳解説
Music by KEN for 2SOUL MUSIC Inc., 福原美穂, Philip Woo
Lyrics by Mari-Joe
Song by Little Glee Monster
By SAKURAnoG
1万枚限定で発売されたリトグリ7枚目のシングル「はじまりのうた」のカップリング曲です。後に「愛しさにリボンをかけて」(作曲・いしわたり淳治 作詞・木下陽介 編曲・松浦晃久)が発表されるまでは、リトグリ唯一のクリスマスソングで、軽快なリズムとキュートで可愛い歌詞が魅力の曲。カップリング曲にもかかわらず、いまでもガオラーからの熱い支持を得ている名曲です。ファルセットの使い方がとても素敵ですよね。
PENTATONIX とコラボしたシングル「Dear My Friend feat. Pentatonix」には「MAGIC SNOW -Sing 2020-」と題して、成長した5人で歌う本曲が収録されています。(オリジナルは6人時代に歌唱したもの)聴き比べてみると歌唱力が格段にアップしていることがわかります。特に個人的に好きな箇所は、「Sing 2020」でアサヒが、抜けたメンバーのあとをしっかりカバーして安定した歌声を響かせているところですね。
このシングル、「MAGIC SNOW」の他にも、「クリスマス・アカペラメドレー」や「愛しさにリボンをかけて」などのウィンター・ソングを詰め込んだご機嫌のCDになっています。
ちなみに、歌詞カードの「Silent Night Holly Night」は、「Holy Night(神聖な夜)」のミスプリントだと思います。「Holly」は「西洋ヒイラギ」で、クリスマスツリーに使われたりもするところからの連想でしょうか?「Holy」が正しい綴りです。
WEBの音楽情報誌Real Sondに数少ない「MAGIC SNOW」に関するコメントが載せられているので、ご紹介します。
[――カップリングにはウインターソング「Magic Snow」が収録されています。これまでウインターソングってリトグリにはなかったですよね。
全員:初めてです!
芹奈:でもこの曲、デビュー当時からクリスマスシーズンにはよく歌ってた1曲なんです。だからファンの方の中には覚えてる方もいらっしゃるんじゃないかな。
かれん:人気のある曲だったので、念願のCD化なんです。
――そうだったんですね。CDに入れるタイミングも冬のリリースに限られてくるので、本当にベストタイミングだったと。
manaka:そうなんです。こういう可愛らしい曲があまりなかったので、自分たちの新たな一面も見せられるんじゃないかと思うんです。
(【Real Sound 2016.11.09 18:00】『Little Glee Monsterが明かす“2つのはじまり”と2ndアルバムの挑戦「ワールドツアーへの一歩に」』 西廣智一)]
歌割りとミューズノートでのコメントは「ガオサイト」のページでも紹介されています。⇓
https://latte-green.com/fivemsnow.html
歌詞の説明に移ります。心理描写が素敵で可愛い歌詞ですよね。それだけに対応する英語が見いだせなくて、苦労しました。多分、BILINGUALの方からみたら60点位の出来ではないかと思います。
A colorful prism Merry-go-roundなどの言葉を随所に散りばめた歌詞が、可愛らしさを醸し出しているのですが、これは訳しようがないので、そのまま挟み込みました。
☆「今夜くらい」日本語の「くらい」は、色んな意味・状況で使われますが、それぞれ対応する英語は異なります。「これくらいは、やってもいいよね」と「これくらい素晴らしいことはない」と「これくらいデカかったよ」は、日本語では同じ感覚なのですが、英語ではみんな違いますよね。「今夜くらい」も「特別に今夜は」ということでしょう。「this evening as an exception」くらいしか思い浮かばないのですが、表現が固いしどうもNATIVEのかたの「受け」も良くないようです。はっきり言って、この場面にピッタリの言葉が、出てきません。「special」の中に特別感を含ませたということで、許していただきたいと思います。
☆「今夜」「今夜」って「tonight」じゃあないの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、僕の感覚では、実際の時間に関係なく、人が起きて活動している間は「evening」、人が床に就く時間帯が「night」(といった話し手の認識を反映させた言葉)です。
☆☆「仲直りしてあげるの」一行目で続々と訳しにくい言葉が登場しますね。「あげる」という日本語も、それはそれでなかなか英訳が難しい言葉です。普通は「for you」をつけることで「してあげる」というニュアンスが表せます。「I’ll do it for you」(やったげるよ) ところが、この「仲直りしてあげるの」の押し付け感は、なかなかうまく表現できません。やむを得ず「Thank me, my darling(感謝してよね)」というフレーズを追加しました。
☆「最高のシチュエーションで待っている」「シチュエーション」は「situation」なのですが、どうもNATIVEの方にはピンとこないのか、僕の説明が悪いのか、受けがよくありません。要するにデートに最適な「背景」ということで「backdrop」を頂きました。
☆「届けたい気持ちが降り積もってく」「届けたい気持ち」というのは「君への想い」でいいと思います。直訳して「my thoughts that I want to deliver to you」とかやっても冗長になるだけでいただけません。「降り積もってく」は正に降る雪をイメージしたものですが、直訳で「気持ちが降り積もる(my thoughts lie)とは言いません。ここはやむなく「like falling snow」とやって気持ちが高まる(grow)様子を表現するほかないでしょう。
☆「最高のプレゼントをくれるから」「best present」でも「biggest gift」でもなく、「greatest gift of all」というのが歌詞にふさわしいらしい。
☆「少し可愛くしたの 素直になるために」「可愛い」とか「素直」といった表現は、内容にもよりますが、英語ではなかなか出会いが少ない単語ですよね。「kawaii」がそのまま英語になるほど、日本語の「可愛い」という感覚を英語で探すのは、難しいということなんでしょうか、ここでは「lovely」としておきました。
「素直」は、最初「frank」(飾らない)や「gentle」(きつく当たらない、喧嘩しない)も候補でしたが、いろいろ悩んだ結果、「honest to myself」としました。「あなたに素直になる」だから「honest to you」ではないかとも思ったのですが、却下されました。honestは「正直な」であって「素直な」とは違うみたいで、どうもこれだと「あなたに嘘をつかない」といった意味に取られてしまうようです。
☆「にあげるの」「あげる」は「give」ではなくて「for you」です。プレゼントやお土産をあげるときには「This is for you」(これあげる、これおみやげ) といった感じです。
よくお土産って英語でなんて言えばいいの?という質問がありますが、「お土産」という言葉は使わない上記のような言い方のほうが、より自然なようです。
「For」の意味については、僕のnoteに上げたブログ『「エリーゼのために」ではない「エリーゼのために」』をご参照。⇓
https://note.com/sakuranog/n/nc6b18ff63cdc
☆「冬の魔法のように」ここは、「願いを散りばめた夜空の下で、笑顔の花束で君を虜にしてあげる、まるで冬の魔法のように」といった意味かと解釈しました。
そこで「Under the sky」や「Creating a magic」と訳してみました。
☆「ケンカの後はお互い ゴメンが言えないけれど」ケンカというのは、踏んだり蹴ったりではなく、口論ということでしょう。NATIVEの方に「argument」という言葉を頂きました。【Genius】にもちゃんと「(米)口論」と載っています。
「ゴメンが言えない」言えないは「cannot say」でいいのでしょうか?「can」は、能力的・状況的に出来ないことを言います。「えーっ、そんなこと言えなーい!」を「I cannot say such a thing」と言うと、何らかの事情[置かれた立場・規則など]で言えない、というニュアンスになります。ここは、「dare」を使います。「don’t dare say」としました。「don’t dare (to)」で「・・・する勇気がない、思い切って・・・することが出来ない」という意味になります。
歌詞の英訳は、こちら ⇓