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ルポ記事のカテゴリー作りました
まとめて読みたい方はそちらからどうぞ
昨年追っていた事件
だいぶ年数が経っている殺人事件です。
全国的に連日非常に話題になり、被告人の名前もいまだに忘れていない人が多いです。
それだけ世間にとって衝撃的な事件でした。
※猟奇的ではありません。他に話題になるニュースもない時期だった
なので、遺族、加害者家族、関係者全ての名誉にかかわらないよう、どの事件かバレないように細心の注意を払って書いております
塀の中の受刑者に久々に会ってきました
ひとつだけネタバレ、女性の受刑者です。
いつも本を差し入れているんですが、今お金ない。。。と自分の本棚を漁った結果、
以前記事で紹介したこの本
齋藤孝さんの「『本当のこころの強さ』ってなんだろう」
桜子と熟読したので、おそらくもう読まないだろうと思い、受刑者の差し入れにすることにしました。
もう刑務所訪問も手慣れたもの
初回は本人が私と会うかどうかためらって、待合室で1時間も待たされましたが、今回は5分で面会許可
こんな殺風景な面会室に通され、座った瞬間、看守と受刑者が入って来ました。
私の顔を見るなり、ニッコリ笑顔で手をブンブン振って
「久しぶりです~
」
「元気そうだね」
すっかりお友達
私のことを信頼してくれています。
面会時間は30分。
看守が後ろのテーブルにつき、私たちの会話を筆録しています。
事件の話はもう聞きません。
本当にタダの雑談です。
刑務所のご飯が美味しいとか。
余暇はテレビを見て過ごしているとか。
時計を見たら30分どころか40分も過ぎていた。
看守がサービスしてくれたと思われる
「そろそろ出てくることを考える時期じゃない
」
私が聞くと、
「全くわかりません」
「だって模範囚でしょ
刑期短くなると私は思ってるんだけど」
「実は、出所の時期って決まっていたとしても、本人には直前に通告されるんです。
そこから慌てて身元引受人がいるのか、仕事はどうするのか、保護司は誰になるのかとか、大急ぎで話し合われるんです」
えー、初めて聞いた
心の準備できないじゃん
しかも、こんな衝撃的な話も聞きました。
男性の囚人の方が、減刑に有利だと。
なぜなら、収監直後荒くれている人が、改心したというのが目に見えてわかるから。
その点、女性で最初から表面的に荒くれている人は少ないので、本当に改心したかは外側からは判断しづらい。
なにそれ
暴れたもん勝ちじゃん。
不公平。。。
「社会に出るのが怖い。
私が出ることで家族がまたマスコミの標的になるのが怖い」
彼女はそう言います。
先日もマスコミから手紙が届いたそうです。
長く収監されて、今の心境はと。
返事は書かなかったそうです。
どんなことを書いても、歪曲されて切り取られて使われて、自分の意としない結果になりかねないので。
「それが正解だね」
思いっきりルポにしようとした私のどの口が言う
「一番は私を雇ってくれるところがあるのかが心配。
通称で履歴書を書くのはダメだろうし」
「うーん、小さな個人店のお店で、更生に理解ある経営者なら大丈夫だと思うけど」
「でも今物価高なんですよね
自分ひとりの安い給料で生活していけるか心配」
そうだろうなー。
こんなに外部と遮断され生活費の心配がない生活をしていたら、外に出たら心配事しかないだろう。
ある意味、羨ましがられるかもよ。
万引きして刑務所に入りたがる人が多いのも納得
私は絶対イヤだけどね
「今って現金使わないんですよね
」
「そうだよ。私なんて現金持ち歩いてないよ。全部スマホ決済
」
「信じられなーい。どうやるんですか
」
こんな他愛もない話をしながら、突然ボソッと、
「テレビを見てると、毎日ひどい事件ばかりですね。。。」
自分と重ね合わせるところがあるのだろう。
そうだね、としか言いませんでした。
この人が背負っているものはあまりにも重すぎる。
そしてそれを、本人は毎日悔い改めている。
私がこの受刑者とつながっているともし人に知られたら、私まで軽蔑されるでしょう。
でも、私には彼女の本質がだんだんとわかってきている。
たとえ事件の内容を直接聞かなくても。
「仕事の世話はできるから安心して。
私、顔広いから経営者さんに頼んであげる。
従業員には知らされないように頼めるから」
「本当に、本当に頼っていいですか
出所に望みかけられます」
とは言ったけど、責任は持てんよ
みんなヤダって断るかもしれないし
でも、私は彼女が立ち直って新しい人生を歩み始めるところまでは手助けしてあげたい。
私は、彼女が会おうと思える唯一の人物なわけだし。
彼女がまっとうな生活をして、事件を一生忘れず、悔い改めることが、亡くなった被害者への供養になるとも思っています。
もちろん彼女自身、そう思っているのはヒシヒシと伝わります。
極悪人なら、いくら善人の私だって無駄足を踏んで何度も刑務所に面会に行かないもの。
こうやって恩を売りまくって、出来たらもっと心を開かせて、ルポを書きたい
って結局下心ありありだって絶対売れるよこれ
差し入れた本を読んだ感想を近々手紙で送ってくれるそうです