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ここからは公判の内容になります。
皆さん興味があるのはこの事件の中身だと思います。
ハッキリ言って私の大興奮の体験談なんてどうでも良いのかも
ちなみになぜ今回私が傍聴への強い思いがあったのかというと、昨年、とある殺人事件に興味を持ち、検察庁へ裁判記録を読みに行きました。
この記事も12回連載しているので、暇な方は探して読んでください
検察庁が持っていた最高裁までの裁判記録は、書記官によって実によくまとめられたもの。
ただし、あくまでも「まとめ」なので、事件の内容はわかったものの、医師などの専門的な証人尋問など、あまり興味のない難しい話が羅列されていただけでした。
私が知りたいのはこんなものではない。
その場の臨場感。
被告人の表情やしぐさ。
私は検察庁でこの資料だけ読んで、全国的に話題になった殺人事件の犯人がとんでもない極悪非道な人間なのかと思っていました。
裁判官によって公正に書かれた資料ではあるけれど、人間味のない論調的な内容なので、人物像をつかめませんでした。
その後、私の執念で刑務所内にいる受刑者に会いに行くことができました。
刑務所への面会のハードルは非常に高く、普通は家族以外会うことはほぼできません
本人も、面会したのは私が初めてと言っていました。
家族とも会ってはいないそうです。
その人はあんな大事件を起こしたとは思えないほど穏やかな性格
しかも、毎日死なせてしまった相手への後悔の念を抱いて生きている。
この受刑者とは今もつながっています。
ちょうど来週、この人に手紙を書こうと思っていたところで、今後も精神的に支援していこうと思っています。
この件で学びました。
私が知りたいのは事件の内容ではない。
その裏側に隠された
「人の性格」
「罪を犯すに至るまでの心理の変化」
「引き金になった怒りの面」
結局私は物事ではなく人に興味があるんです
なので、今回私にとって大事だったのは、猟奇的な事件の中身ではなく、裁判中の被告人の表情や、裁判記録には載せられない、事件の当事者たちの会話など、詳細なやり取りの部分。
そこを観察することで人を分析できるからです。
困難児を抱えた母親として、ずっと娘の精神分析をしてきた私ならではの視点です。
人生やり直せるなら精神科医か心理学者になりたい
さて、前置きが長くなりましたが、いよいよ公判が始まりました。
被告人である母親が横のベンチから証言台へ移動しました。
母親はか細いながらもしっかりとした口調で、裁判官の質問に答えました。
名前、生年月日、本籍、住所、職業。
ちなみに主席裁判官は40代くらいの若いイケメン男性。
両脇の裁判官も同じくらいの年代の男性と、30代くらいの女性。
こんな若いのに相当優秀な人なんだろうなと全く関係のない私の心の声
座席に戻り、続いて検察側からの傍聴陳述が開始。
弁護士がパソコン1台をつないでいた簡素な荷物に対して、検察側は膨大な分厚いファイル。
デジタルvsアナログ。
検察はこわもてっぽい50代男性、その補助として30代女性が一人ついています。
検察が立ち上がり、冒頭陳述を述べ始めました。
ちなみに私、人にはない速記というスゴ技を持っています。
この技は、20歳で放送局に入局した頃、まだパソコンが導入されておらず全て手書き作業だったため、生放送で電話をかけてきたり出演する人の話を記録するために、人の話す声のスピードに合わせて書く訓練をした賜物です
あまりにも正確に速くキレイに書けるため、アナウンサーが私の書いた原稿をその場で瞬時に読め、この時点で局内でも一目置かれました。
一時期は速記の仕事につこうかと思ったほど
しかし、その私の速記の技をもってしても、検察は非常に早口で、筆記には困難を極めました。
なにせ書かれている資料を読んでいるだけなので、早口なのも当然
遅れを取らないように一生懸命書きました。
手が死にそうになった
次回は検察の冒頭陳述の内容です。
ベストセラーのルポです