8月4日に江戸川区総合文化センターで「パークサイドバレエスタジオ 2024 創立10周年記念パフォーマンス」を、8月7日にパルテノン多摩で「Etude Ballet Academy バレエフェスティバル」を見てきました。ゲスト出演の渡邊峻郁さんのおっかけです。

 

どちらの舞台も、「眠れる森の美女」がしめくくりで、峻郁さんはデジレ王子でした。

 

パークサイドバレエスタジオは、新国立劇場バレエ団で活躍した堀岡美香さんの主宰で、新国関係者のスタッフも多くて、今回のゲストは全員新国の王子たち。渡邊峻郁さん、原健太さん、渡邊拓朗さん、西一義さんの4人。三銃士ふう帽子つき衣装でローズアダジオを担当して、留学中の北見笑菜さんのオーロラ姫を大事に支えつつ、小ぜりあいのお芝居なども繰り広げて見ものでございました。夏のスタートにふさわしかったです🥰

 

主な役どころは留学から帰国中の卒業生さんや、講師としても活躍しているプロの方がつとめていて発表会とは一線を画した踊りが続きました。

 

新国を卒業したばかりの朝枝尚子さんが、渡邊拓朗さんとペアで猫を踊ったのがごちそうだったり、西一義さんのシンデレラの王子がとてもかわいかったり、原健太さんのブルーバードはさすがのテクニックでした。夏休みにこういう役を見て、その後の印象が変わったりするのも楽しいです。

 

峻郁さんは4人の王子から生き延びて(笑)、盆子原美奈さんとグラン・パ・ド・ドゥを見せてくれました。盆子原さん、新国を卒業して何年か経ちますが、大人っぽいバレリーナで、踊りのメリハリが利いて凄く素敵なオーロラでした。ふたりで細かいニュアンスを楽しみながら踊っているようなパ・ド・ドゥ。ソロのデジレ王子はテクニック満開でした。

 

多摩プラザのパルテノン多摩は、惟任るりさん主宰のエチュード・バレエ・アカデミーの夏の舞台でした。2年前もここで拝見したのですが、このときの柴山紗帆さんと渡邊峻郁さんの「パキータ」が素晴らしくて、初台の舞台で見るよりよかったんですが(え)、今年はオーロラ姫とデジレで共演でした。

 

バレエコンサートに続いて、眠れる森の美女全幕を、省略しつつも通して上演でトータル4時間。いささか怯みましたが、2幕の森の場面があったのはお得というか、あまり貴族などもいないので、王子がひとりで踊りまくって場面を成立させるというありがたい仕様。そしてこの場面の、幻影の紗帆オーロラと峻郁デジレが雰囲気も抜群で素晴らしかったです。

 

柴山渡邊コンビ、昨年の「夏の夜の夢」以来で、2人ともなんだか貫禄がついたというか、余裕の舞台さばきでした。グラン・パ・ド・ドゥはテクニックのやりとりになって、コーダの途中からふたりの表情がやわらいで、笑みがこぼれる華やかパフォーマンスでした🥰

 

新国からは、木下嘉人さんと中島駿野さんと宇賀大将さん。木下さんのブルーバードをはじめて見られて、コーダのつま先が世界の第一線の水準でさすが、その前のタリスマンも、タリスマン跳びとかタリスマンリフトとか、基本の、いや基本以上の再現度でたまげました。駿野さんの海賊はいけないお色気で、宇賀さんは踊りのはしばしの表現力がやっぱり好き。

 

夏の発表会行脚、今年は眠れる森の美女多めのようで、コッペリアばかりな年もあるし、ナゾの流行があるのでしょうか。ふたつのデジレ王子はどちらも素敵でした🥰