新国のアラジン2週め、21日と22日マチネもとっていたのですが、事情がありまして見られませんでした。土曜日夜の、福田圭吾さんのラストステージは行けました。

 

さよなら公演とあって、厚地康夫さんはじめ、ロビーにはダンサーの方たちの華やかな姿が。5年前の「アラジン」では福田圭吾さんの全幕初主役を祝って、新国OBの方たちなどがやはり集合していたのを思い出しました。

 

 

プリンシパルにはなりたかった、というような、どきっとするような率直なお話も引き出されていて、阿部さや子さんの名インタビューでした。さよならに選んだアラジンは素晴らしいステージでした。

 

カーテンコールでは、池田理沙子さんに促されておひとりで挨拶に出て、感無量な圭吾さんでしたが、途中でジーンの渡邊峻郁さんがさっと身を翻して袖に、誰を迎えに行ったのかと思ったら、2幕で登場する中華のお獅子が登場しました。ひとしきり踊って、アタマを取るとそれは福岡雄大さんで、驚く圭吾さんに大きな花束を渡しました。

 

雄大さんがお花を渡すのは、同じバレエスタジオの先輩でもあるし当然ですが、お獅子の中身は「アラジンの友人」という役、ぼくだよ!と顔を見せるのも作品の通りで、さすがな粋な演出でした。あとあしは原健太さん、ちゃんと練習したのでしょうねえ、教えたのは木下嘉人さんだったりして。

 

そのあと、圭吾さんはシューズを脱いで、そっと舞台の中央に、というしみじみパフォーマンスを。ですが、理沙子さんがもっと舞台の前におかないと、と指導?してシューズを置き直し(笑)結局幕前に淡いピンスポットをあびた一足のシューズが残って、終幕となりました。

 

たぶん山口百恵さんの、最後のステージで舞台にマイクを置いて去っていった、あの姿を踏襲したのだと思いますが、今調べたら1980年のことなんですね、圭吾さんにとっても生まれる前なんですが、それだけ有名なエピソードなんでしょうか。オモシロさわやかなさよならで、さびしさは次の公演から感じるのかも。

 

福田圭吾チームはゲネプロとあわせて3回見ました。圭吾さんは技術的な瑕疵ナシ!で、サポートが見事で、池田理沙子さんのプリンセスをぽんぽん放り投げてました。アラジンとプリンセスの技術の見せ場はほぼアクロバットリフトなんですよね、そこがきまるとやっぱり盛り上がりますね~。理沙子さんが安心して、柔らかく輝いていたのも印象的でした。

 

あ、あと、宝石の場面で、ゴールドとシルバーのどなたかのヒラヒラが舞台に落ちてしまって気になったのですが、圭吾さんが宝石をもらいついでに?あ、あそこにも!きっちい回収していまして、ラストステージに圭吾さんらしい機転エピソードが加わって、なにかの采配(なんだ)を感じました。

 

ジーンは渡邊峻郁さん、アラジンへと、先輩圭吾さんへと、どちらなのかな?というお慕いぶりな、エモーショナルというか、な忠犬ジーンでした。テクニックは凄かったでした、とくにジャンプはありえない高さと質感、最後のリボルターとかびっくりしました。

 

宝石など、若いキャストの勢いも素晴らしくて、楽しさと賞賛があふれる劇場でした。福田圭吾さんは8月の大和シティー・バレエの「ゆきひめ」を見るので楽しみにしています。

 

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