土曜日の公演は、奥村康祐さん米沢唯さん主演の、夜の公演を見ました。

 

2度目の休憩のあと、席について3幕の開幕を待っていましたが、なかなか始まりません。なにかあったのかと思いましたが、吉田都監督はビントレーさんと並んで普通に座席にいらっしゃるし、と思っていたら、客席に入ってきたスタッフ?の方が、都さんの前へ行ってひとこと、すぐに都さんは席を立って、出ていかれました。

 

5分ほどたって、その吉田監督がマイクを持って幕前に現れて、米沢唯が2幕の途中からの体調不良のため、3幕は福岡雄大、小野絢子が出る、準備のため15分ほどお待ちいただきたい、という旨をアナウンスされました。

 

時間があるので、ロビーに出る観客も何人かいましたが、みな静かに待っていて、オーケストラが再び入場して音合わせがはじまり、場内が暗くなって指揮の冨田さんが登場すると拍手がおきました。アラジンとプリンセスの2人の場面から始まる第3幕、急遽の登場になった福岡さん小野さんでしたが、自然に舞台がはじまって、きっちり上演されました。

 

カーテンコールも通常どおりでしたが、緞帳前のときだけ、すでに私服姿になった奥村さんが出てきて、福岡さん小野さんと並んで挨拶されました。

 

米沢さんが途中降板されるなんて、もちろん初めてのことですし、都さんビントレーさんが普通に客席に来ていたということは、開幕直前に急ななにかがあったのでしょうか。米沢さんの3幕を見られなくなったことはもちろん、奥村さんの3幕の分も無くなってしまったのは残念すぎでした。2幕までの米沢さんには調子の悪そうなところもなかったし、技術が研ぎ澄まされてお姫さまの純白な美しさでした。奥村・米沢組のアラジンは、次の土曜日にもう一度予定されていて、そのときには回復して出演が叶いますように。

 

この回は、1幕のルビーに直塚美穂さんと渡邊峻郁さんが登場して初コンビの披露でした。たいへん期待していたのですが、期待以上にやってくれていました。まず出てきただけで必要以上に色っぽいし、ふたりが目を利かせて見つめ合った瞬間にあっ大変と(笑) 直塚さんはロシア仕込みの大きな踊りが新国には珍しいタイプなのですが、その大きさとスピードを、峻郁さんのサポートが見事に活かしきって、まさに赤い疾風が舞台を吹き抜けるよう。見せ場の、肩の上からお互いがからみつくように、逆さまに落としていくリフトが大胆で、ここまでの効果が見えたのは久しぶりなのでは。男性が女性を振り回しながら倒れこんでいくフィニッシュも、怖いくらいの速さで、今日の公演の最初の大喝采でした。

 

直塚さんと渡邊さん、踊りの質が合うみたいだし、また機会があったら組んでみてほしいですね~ エロスと面白さを兼ね備えたルビーのデュエット、凄い見ごたえでした🥰

 

そんな感じでほっこりと観劇していたのが、意外な展開。心がしぼんでいますが、どんな事態も全員で乗り切る姿も見られて、新国のアラジンがんばってください。