池上直子さんによる「Dance Marché」の新作「Eden」、渋谷区の大和田さくらホールで見てきました。

 

脚本/演出/振付/美術 池上直子、出演は渡邊峻郁 木村優里 八幡顕光 大上のの 湯淺愛美 鳥羽絢美 南帆乃佳 須崎汐理 高橋慈生 休憩こみ1時間45分の舞台でした。

 

 

5月11日に公開リハーサルがあって、この記事のふたつ前に感想を書いたのですが、一見あれ?と思う、タイムリープの学園もの、という設定が、巧みにダンスによって語られていて、構成もスリリングで、見ごたえたっぷりな舞台でした。

 

主人公の「タイキ」に渡邊峻郁さん、優等生の端正なダンスから、妹を失った慟哭、ひとりだけタイムリープを続けて自分が壊れ、まわりも壊していく姿が凄かったです。立っているだけで心情がわかる、ダンスが加わるとより鮮やかで、場面ごとの感情表現の多彩だったこと。焦る、という気持ちだけでも何通りも表現できるのですよね。専業の舞台俳優さんでも、ここまでできる人はなかなかいないのではないでしょうか。

 

ラストシーンは絶望から、運命や生命に昇華していく姿を踊り切りましたが、オリジナルの大きな作品でこんな主役ぶりを見られて、いやもう嬉しかったです。ナイフを持って狂っていた姿なんてホント美しかったですし🥰

 

「タイキ」は3人の女性とからむのですが、Kimagure、妹マイ、恋人ルイと、それぞれスピードのある激しいぶつかりあいが見ものでした。湯淺さんと渡邊さんの巧さで、セリフがなくてもシチュエーションがはっきりわかるし、鳥羽さんは動きの次元が違いました。鳥羽さん、Noismにいらっしゃったそうで、動きのちょっとしたところに名残り

 

木村さんとはまあ🥰な恋のデュエットと突然の悲劇と、ふたりのシーンはそんなに多くはないのですがさすがの名コンビで、お話の主軸をきっちり担っていました。ふたりともキレイでコンテもOK、だけじゃなく、役の解釈力と表現力も持ち合わせているのが最強すぎです。

 

学園生徒として、恋のさや当てや友情を踊ったダンサーさんたちが精鋭ぞろいでテクニックが物凄かったでした。池上さんの今まで見た創作ものでは、新人さんを群舞で出したり、ということも多かったのですが、今回は少数選抜チームで、そのぶん振付にも容赦ないというか、なんでもないところで超絶美技が連発していて、振付の手数も多くて、見ごたえ抜群でした。9人で1時間半の舞台だったんですよね、スキマがなかったです。先生役の八幡顕光さんは年上の落ち着きを見せながら、やっぱり今なにやった?な凄ダンスを見せていました。

 

期待していましたが、期待以上の舞台で、目がイッちゃった峻郁さんをこれでもか、と見ることができてもうなんのご褒美🥰でした。

 

1回きりの公演が勿体ないのですが、パンフレットによると、「satonoka」というケーブルテレビのチャンネルで、9月に「Eden」の放送があるそうです。だいぶ先ですが、わたしの家でもなんとか見られそうなので楽しみです🥰