池上直子さんのDance Marchéの新作「Eden」の公開リハーサルを見てきました。会場は港区立男女平等参画センターリーブラホール、新しい施設のようで、可動式の座席を組み込める、大きなスタジオでした。

 

夜の7時半スタートのイベントで、その日のリハーサルの最後の部分を公開するという感じ、あと、質疑応答の時間もありました。受付をすませて会場を見ると、すでにリハーサルの真っ最中で、わあたかふみさんがいる🥰 1時間のイベントでしたが、充実して面白かったです~。

 

「Eden」は池上直子さん書下ろしの、タイムリープ学園もの、という、コンテンポラリーダンスなんだけどえ?という作品なのですが、この日のリハーサルを見て概略がなんとなくわかりましたし、内容とダンスとして表現することの相性はとても良いのではと思いました。

 

渡邊峻郁さんの主人公「タイキ」が、亡くなった妹を取り戻そうとして時間をさかのぼるのですが、この日見せてもらったのは、2幕の冒頭、3回目のタイムリープの場面ということでした。学校のルーティーンがモチーフになっていて、その繰り返しがタイムリープという表現を担っているようでした。

 

いやでも、凄いですねー、その基本のルーティーンも複雑でステキな振付なのですが、それを踊りこなしつつ、この人がこっちにとか、全体が入れ替わったりとか、短い指示でぱぱっと動けてすぐにできてしまうのですね~。ダンサーは頭がよくないと、と言われるわけがよくわかりました。その上で、ダンサー同士の調整や提案もあって、あれよあれよという間に場面が決まっていくのでした。こういうのは初めて見たので、ただただびっくりしました。出演者は9人なのですが、この現場に対応できる、凄腕な皆さんなのでした。

 

何度時間を逆行しても妹を助けられなくて主人公が焦燥していくのですが、それにかかわる妹マイ役の鳥羽絢美さんと恋人ルイ役木村優里さんと、3人で細かい動きを調整する様子も見られました。腕をつかむ場所とか、まわりこんで阻止する角度とか、話し合いながら動きながら、きちんと決めていくんですね~。渡邊さんと木村さんはもうおなじみですけれど、鳥羽さんともとても楽しそうなやりとりが見られました。

 

実際にも年長の八幡顕光さんが、カイ先生という役で、一座をさりげなく取りまとめているのもわかりました。こういう方がいるのといないのとで、一座の雰囲気も変わりそう。あと、八幡さんが渡邊さんに「ふーみん」と呼び掛けていて、そういう愛称があるらしいのは知っていましたがホントなんですねー。

 

そのふーみんなんですが、目の前で踊りまくるのを見られて、ホントに行ってよかったし、もう企画に感謝でした。振付自体がそうなんですが、バレエっぽさ皆無な踊りぶりで、渡邊さんのダンサーとしての可動域の広さが凄いなと改めて思いました。一人だけ時間を逆行する主人公が段々コワれていくお話だそうで、これはぴったりです~。この日見た場面でも焦る姿がくっきりとわかりましたが、もっと追い詰められていくのでしょうか。そして最後のシーンがネタばれ厳守の凄さらしくて、本番が楽しみです。

 

後半30分は、森菜穂美さんが司会に登場して、池上直子さんと出演者全員によるトークショーでした。新国立劇場バレエ団のプリンシパルとしての活躍と、今回のような公演に参加することについて聞かれた渡邊さんと木村さんが、超スピードでどうぞどうぞ、とお話を譲りあったりなレアなシーンも見られて良いものでした。全体には作品の理解につながるお話が多くて、9人のダンサーさんが全員、それぞれのキャラクターとして作品を構成しているのもわかって、ますます楽しみです。

 

5月23日の木曜日の夜、という出かけにくい公演日程ですが、まだチケットはあるようなので、とてもオススメします~ 池上直子作品は、ちゃんとわからせてくれて、ダンスの魅力にもあふれていて、素敵舞台は間違いなさそうです🥰