ゴールデンウィークの「ラ・バヤデール」 待望のキャスト、米沢唯さんのニキヤ、渡邊峻郁さんのソロル、木村優里さんのガムザッティの回を見ました。

 

このトリオですから期待していましたが、もっとそれ以上の舞台で驚きと感激でした、客席が沸騰した夜公演でした。

 

前半の見せ場は婚約式のパ・ダクシオン。男女がまったく同じジャンプを飛ぶという、わりと珍しい振付ですが、優里さん峻郁さんは違う高さに跳んでもシンクロ率が高く、舞台前面に一緒に跳んでくると華やかパワーも倍増です。アダージオの途中から動揺するソロルと、引き戻そうとするガムザッティの微妙なやりとりがはっきり出ていてさすがゆりたか、こういうのが巧いですし、美男美女の不安そうな顔っていいですよね~ ソロルのヴァリエーションの凄いテクニック、ガムザッティの大回転もきまって大喝采でした。

 

後半はやはりあのパ・ド・ドゥ。2幕が盛り上がりすぎてどうなのかな、といらない心配をしてしまいましたが、唯さんのニキヤは、段上にあらわれただけで全てを決します。バヤデールのアダージオも見慣れたというか、見飽きた曲ですが、唯さん峻郁さんは手をとる、離れる、向きを変える、そんな一瞬一瞬に解釈と意味付けをして雄弁に見せてくれました。

 

婚約式のニキヤの登場から息絶えるまでも、ニキヤとソロルとガムザッティ、3人が同じ糸にひかれているような緻密なやりとりで、「3人で」というのがちょっと新鮮。演技プランを決めているお三方の様子を見てみたい🥰

 

峻郁さんのソロルは白皙の美青年。技術が絶好調で、ぱたんぱたん、と大きなカブリオル、早いピルエットと客席を湧かしていましたが、苦悩の表現など、クラシックの枠をそっと外す一瞬もあって見ごたえありました。友人トロラクヴァの渡邊拓朗さんとの並びもゴージャスでしたが、やはりお顔が似ているので話が混乱するのでは💦 嬉しいですけど。

 

アレクセイ・バクラン指揮の東京フィルハーモニーで、ヴァイオリンソロなど美しかったです。バクランさんは主役3人への音楽の沿わせ方が凄腕で、今日の舞台の大きな推進力になっていました。

 

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