新国立劇場の中劇場で、研修所の修了公演「エトワールへの道程 2024」を見ました。

 

プログラムは「トリプティーク」「海賊」「Conrazoncorazon」、休憩をはさんで「眠れる森の美女」第3幕 とすっきりで、休憩こみ約2時間の舞台でした。

 

「トリプティーク ~青春三章」は、芥川也寸志作曲の「弦楽のための三楽章」に牧阿佐美さんが振り付けたもの。1968年初演だそうですが、当時の日本の現代音楽の作曲家たちと、舞台芸術のつながりは濃くて面白いのですよね。芥川也寸志や、黛敏郎の曲でできたバレエ作品は、リバイバルしたり、曲にあらたに振りつけたりと、可能性がありそうです。いろいろ、見てみたいです。トリプティークは若いダンサーのきれいなラインが活きて良いのですが、日本の動きもとりいれているので、衣装にちょっと工夫があってもなと思いました。毎回同じことを思っていますが。

 

「海賊」は榎本志緒さんとゲストの趙 載範さんで。ぜぼむさんはベテランな海賊、榎本さんも落ち着いてきれいに踊っていました。

 

「Conrazoncorazon」は、カィエターノ・ソトの面白すぎる作品。古いシャンソンや、黒い瞳とかピータ・ガンとか、月並み音楽を通りぬけた踊りから目を離せません。こういうのずっと見ていたいです~。ワイルド感とか皮肉さとかは、ダンサーさんが若すぎて出てきませんでしたが、すらっとした体型が美しく見えます。何人か、よくこなれた動きを見せていたのですが、名前は確認できずでした。

 

短い紹介動画 何語?

 

 

休憩をはさんで、「眠れる森の美女」 宝石の踊り、長靴をはいた猫と白い猫、青い鳥のパ・ド・ドゥ、赤ずきんと狼、オーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ド・ドゥというオーソドックスな展開でした。

 

府川萌南さんが白い猫、府川さんは森山開次さんの「新版・NINJA」に出演すると発表されていて、あの中川奈奈さんが踊った役ですよね、どんなになるか期待です。府川さんは「トリプティーク」のパ・ド・ドゥもよかったのですが、こちらの猫が大変かわいかったです。NINJAのお姫さまが猫ふんじゃったで踊るところがあるのですが、期待しています~

 

赤ずきんの小田那奈さんもイキイキしてとてもかわいくて眼福でした。青い鳥は神野日菜さんと、朔元信さん。朔さんはバネがあってふわっと飛べる系ですが、まだ上半身とバラバラで踊っている感じでした。

 

 

オーロラとデジレは、堀之内咲希さんと、ゲストの浅井敬行さん。堀之内さんはお名前を覚えたのは、前にやったキャラクターダンスのレッスンナンバーのとき。そのころよりだいぶほっそりしして、明確なオーロラでとてもよかったです。王子の浅井さんはちょっと物足りなかったかな、サポートが万全じゃなかったのが残念でした。

 

アレクセイ・バクラン指揮の東京フィルハーモニー交響楽団がつく、贅沢な卒業公演。バクランさんはやっぱりいいです、人気も凄い。バレエ指揮者としてさすがでしたが、とくに堀之内さんのオーロラには、完璧に音をつけていました。

 

2年ほど、女性の研修所出身者が新国立劇場バレエ団に採用されていないのが心配で、このあとはどうなるのでしょう。美しくてクセのない研修所出身者の踊りは新国のバレエのベースと似合っていたのですが、これから変わっていく部分もあるのかも。