新国立劇場バレエ団「ホフマン物語」2月25日千秋楽

奥村康祐さん、奥田花純さん、小野絢子さん、米沢唯さん、中家正博さん、スペシャル配役の千秋楽でした。舞台稽古見学会で見ることができた組なのですが、お稽古と本番はやっぱり違ってさすがでした～。

 

奥村さんはホフマン物語の新国初演時から活躍していたのにホフマン役ははじめて。どういうからくりだったのはわかりませんが、最近バレエ界を見ていると、キャリアを重ねてからの初役は成功しますよね。お芝居の表現的には自由自在、クラシックヴァリエーションもゲネよりも勢いもよかったです。ホフマン役は、ソロよりもリフトの見せ場が多くて、というか全編そればっかりで、奥村さんの超テクニックにあらためて驚きました。アントニアとのアダージオのクライマックスは変形リフトからツイストキャッチまで、鮮やかでした。

 

奥田花純さんのオランピアは身体の細かい角度とか面白さ抜群だったのですが、最後の回想シーンに登場したときの切ない華やかさがとても素敵でした。小野絢子さんと米沢唯さんはすげーの一言、バレエってこういうところまで来るんだという至芸でした。

 

中家正博さんの悪魔４役は正統派？というか。やっぱり怖いのですが、貫禄の怖さというか、比べると渡邊峻郁さんの悪魔はオカルトホラーだったのねと思いました。

 

3人ぐちが若手の配役で、石山蓮さんや山田悠貴さんが踊りも元気、お芝居も積極的でめだっていました。小野寺雄さんは踊れるワクとひきしめ役兼務の立場になったんですね。

 

幻影の3人ヴァリエーションの中島春菜さん花形悠月さん金城帆香さんも花と花が競い合うようでした。ベテランも見たいけど、若手伸びはじめの魅力は凄いです。

 

群舞のキレと表現力がとてもよかったのが、今回意外と面白かったホフマン物語、に貢献してたと思います。スパランザーニの宴会客の戯画的な動きなんか、今までと見違えるようでした。あと「幻影」ですねー、男女とも新国最高身長をそろえて、アラベスクのままリフトで持ち上がるシーンとかなんだこれは？でした。長い手足が映えていましたです。

 

初演再演としみじみつまらなかったホフマン物語、今シーズンの再再演が盛り上がって、なにが起こったんでしょうかだったんですが、振付がこんな魅力あったんだ、というところが多くて、指導側の見直しが巧かったのかしら。主演陣が貫禄のベテラン多めで、芸境完成度が高かったのも舞台の充実度につながったかと。

 

といいつつも、峻郁さまの悪魔役がやっぱり、やっぱりなホフマン物語でした。ケープつきコートに革手袋の美しき異形のもの。こんなふーみんさまが見られるなんて夢なのかしらと、動悸がしてちょっと具合が悪くなったほどでした。買収されてた今村美由紀さんがポストしてくださった画像をよすがに、がんばりたいと思っています。

 

 

初台のトート閣下でした、素敵だった🥰