新国立劇場中劇場の、国際バレエアカデミアバレエ団の公演の、ダブルビルを見てきました。バレエ・リュス由来な、ショピニアーナとシェヘラザードの2本だてです。

 

シェヘラザード、マリインスキーなどでやっている復刻版とはかなり違っていて、こちらのほうが面白かったかも。改作台本を小牧正英とクニアーゼフが、演出・振付をニコライ・ミハイロヴィッチ・ソコルフスキーが担当して、日本初演が1946年なのだそうです。

 

いちばんにいつもと違ったのが、男の奴隷たちがひったてられて来る場面がありまして、金の奴隷も足かせつきで連れられてきていました。この設定よかったです~、縛られて屈辱のまなざしが、寵妃ゾベイダと目があって一瞬で恋におちるんですよね🥰 通常版だと野獣な色気だけになりがちな金の奴隷に物語ができていました。

 

ゾベイダが木村優里さん、金の奴隷が渡邊峻郁さん、ゆりたかの当たり役になりましたね~

シェヘラザードというと、マリインスキーの上演版をよく見ていたのですが、わりとあれ、ずっといちゃいちゃしてるだけで振付的に単調で微妙なんですよね。小牧正英版のほうがたっぷり踊って見ごたえありました。エキゾチックな動きも面白くて、峻郁さんのそういう踊りがうまくてよかったです。ジャンプはもちろん、金色の矢のように飛んでいらっしゃいましたわ🥰

 

優里さんのゾベイダ、絵になる容姿に踊りの華やかさで出てきただけでぴったりでしたが、奴隷との恋でだんだん変化して、最後の自決シーンがドラマチックでした。バレリーナさんのこういう衣装、やせすぎで貧弱に見えることもあるんですが、優里さんは似合っていました。

 

宦官長のビヤンバ・バットボルトさんが芸達者で、サルタンの原田秀彦さん、弟のニコライ・ヴィユウジャーニンさんなど、お芝居キャストも充実していました。衣装も装置も豪華で、予想以上の舞台でとても嬉しかったです。

 

明日も見ますので、細かいところもまた比べてみたいと思ってます。

 

最初の演目は「ショピニアーナ」で、詩人が新国のやまだ、こと山田悠貴さん。踊りのスタイルをとてもていねいに押さえていてよい詩人でした。シルフィードたちは、手首の先を細かく動かしたりと、古風な踊りかた。改めてフォーキンの振付の、ラ・シルフィードへの目くばせというか、オマージュを感じとれて面白かったです。

 

バランシンのスコッチ・シンフォニーもシルフィードのパロディなんですよね。あと、ラトマンスキー振付の「明るい小川」も、ごつい男のシルフィード姿があって、あれも同じ流れになるのかしら、それは違うか💦