久しぶりのNHKホールで「NHK バレエの饗宴2024」を見てきました。3部構成の3時間にわたる公演でした。
https://www.nhk-p.co.jp/ballet/program/
幕開けは東京シティ・バレエ団の「L'heure bleue」 広いNHKホールでは作品の良さはどうかしらと(勝手に)心配だったのですが、素晴らしい上演で本日のハイライトでした。イリ・ブベニチェクさんが来ていて、やはり振付家本人の手元で踊られる作品は最強でした。
そのうえ生演奏でした。パルティータを中心としてピアノソロが大活躍だったのですが、たいへん解像度の高いバッハで、振付のメリハリがよりよくわかりました。ピアノは五十嵐薫子さんだったそうで、プログラムに記載がなかったのですが、Xに投稿していらっしゃいました。
今日は「NHKバレエの饗宴」でした🌹
— 五十嵐薫子 (@KaorukoIgarashi) January 27, 2024
私は東京シティ・バレエ団、東京フィルハーモニーさん、指揮の井田先生、🎻辻彩奈ちゃん、竹内 鴻史郎くんと「L'heure bleue」というバッハやモーツァルト等を使った作品に出演しました✨
12曲中なんと7曲ピアノソロでど緊張でしたが😂大ホールでバッハ嬉しかった❣️ pic.twitter.com/ReKiBNF78M
出だしの2つのヴァイオリンのための協奏曲もソロ(2台だからソリ?)ヴァイオリンの音色がバッハで、オーケストラの方なのかな?演奏スタイルをここまでよくぞ、と思ったのですが、こちらもゲスト演奏者だったのですね。辻彩奈さんは、6月の山形交響楽団の年に1回の東京公演の「さくらんぼコンサート」に出演されることに気が付いてびっくり、今年は阪哲朗さんの指揮なので楽しみしていたのですが、ますます期待がふくらみますです。
〔指揮〕#阪哲朗
— 山形交響楽団🍒Yamagata Symphony Orchestra (@y_symphony) January 24, 2024
〔Vn〕#辻彩奈
〔Vc〕#上野通明
〔S〕#老田裕子〔A〕#在原泉
〔T〕#鏡貴之〔Br〕#井上雅人
〔合唱〕#山響アマデウスコア(6/20,21)#びわ湖ホール声楽アンサンブル/#パナソニック合唱団(6/21のみ)
⚫︎モーツァルト:戴冠式ミサ
⚫︎ブラームス:VnとVcのための二重協奏曲 他 pic.twitter.com/rwgYZJhzb4
音楽的にさすがNHKだぜ、という布陣だったんですが、これだったら大々的に演奏者を発表してもいいのでは。たぶん放送ではクレジットが入ると思うのですが、3人のソリストは舞台上の挨拶に出てもよかったのでは~
昨年の再演と同キャストでしたが、男性陣がいちだんと洗練されて、トホホ感もほどよくて、「危険な関係」の残念バージョンみたいな雰囲気がとってもよかったです。複雑な踊りを凄いスピードで踊りこなしていてとっても見ごたえありました。岡博美さんも最強でした。これ、シティオリジナルかと思っていたのですが、アメリカのバレエ団で初演したものの拡大準新制作だったのですね、ブベニチェクさんの岡博美さんへの信頼度が高いです🥰
休憩をはさんで、グラン・パ・ド・ドゥふたつと、新作「幻灯」でした。
永久メイさんとフィリップ・スチョーピンさんの「眠りの森の美女」 久しぶりにロシアの、マリインスキーの純正オーロラ姫を見られました。永久さんはモナコのプリンセス・グレース出身ですけれど、ワガノワ出身者よりマリインスキーのスタイルを身につけているかも、という一瞬一瞬が宝もののような踊りでした。前はちょっと細すぎるイメージでしたけど、芯がとおったというか、強さも加わってきたみたい。スチョーピンさんは気になる方なのですけど、ちょっとバタバタしたかなあ。2018年の来日公演で踊ったバジルはスマートでとても好きだったのですが。
つづいて金子扶生さんとワディム・ムンタギロフさんの「くるみ割り人形」 いわゆるリアルカップル、というやつなんでしょうか、ムンタギロフさんがこんなに幸せそうな笑顔を見せる方だとは、なんか、よかったなあと。というだけでなくて、おふたりで作り出す踊りのスタイルも素晴らしかったです。ムンタギロフさんの無駄のないアカデミックな踊りと扶生さんのキレのミックスというか、ちょっと見たことない世界な「くるみ」でした。グランパひとつでこの充実感、ひさしぶりでした🥰
舞台転換に時間を使ったあと、小㞍健太振付・演出の「幻灯」。中村祥子さんとのデュエット。マックス・リヒターの例のヴィヴァルディの「四季」を使って、季節の女神が降臨するような、淡い印象のデュエットでした。照明がもうひとつの主役のような作品だったのですが、これ、床に踊り手のカゲが映って、とても重要なポイントだったのだそうです。1階サイドの後方席だったのですが、全然わからなかったでした💦 転換に時間がかかったのは、床の素材を貼っていたからだったらしいのですよね。大人のおふたりで、西洋由来のダンスで幽玄を見せました🥰
しめくくりは新国立劇場バレエ団の「ドン・キホーテ」第3幕で超華やかでした。米沢唯さんと速水渉悟さんのドンキ、はもう新国のアイコンかも。長時間の公演のしめくくりに、この版のあっさりめの3幕もちょうどよかったです。
ヴァリエーション2人は山本涼杏さんと直塚美穂さん。すずさんは軽さとかわいさと、あと意外と長身なのでスケールも大きいんですよね、とても惹かれます。直塚さんは途中でちょっとぎくしゃくしましたけど、空間力が魅力です。
グラン・パ・ド・ドゥはアダージオで唯さんのバランス技も炸裂、速水さんはリフトでもアピールできるスターぶりでした。速水さん、ちょっといつもの調子ではなかったかな、ジャンプが5センチくらい低めだったり。髪にメッシュが入っていないのが物足りないという意見も散見しましたが、そこじゃない。
充実のプログラム、クラシックものがよい上演なのが大きかったですけど、今できた新作、を出す重要さも痛感するステージでした。
たかふみさまは今回も出演なかったのがさびしかったです~ NHKホールでいちど、お姿を見てみたいですわ🙁