夏のこどもバレエ、今年はライト版白鳥の湖を使った、生オケつき1時間のプログラムでした。

バーミンガム・ロイヤル・バレエの「First Steps:Swan Lake」というプログラムが元ネタなのだそうですが、どこまで同じものなのかはわかりません。聞くところによるとバーミンガム版は第2幕の湖畔のオデットのシーンが中心なのだそうで、3幕をやる初台とは違うはずですよね。

 

関修人さんと、見寺剛さんが交代出演の「ナレーター」が非常に大きな役で、ほぼ全体を進行します。今日は昼夜見ましたが、おふたりとも客席を上手にリードして、こどもたちの気持ちもしっかりつかんでいました。

 

そんな夏休みモードで盛り上がる舞台にいきなり出てくるジークフリード王子なのですが、そのへんの切り替えはうまくできていて、続いてオデット姫も自然に登場して湖畔のマイムから、四羽の白鳥、二羽の白鳥とつないで、3幕の舞踏会の開幕もお話がわかりやすくなっていました。

 

初日のオープニング公演はオデット・オディール米沢唯さんと、ジークフリード王子渡邊峻郁さんのペアでした。ダンサーがセリフをしゃべるのがウリのこのプロダクション、一体どうなるのと心配していましたが、お二人とも美声でセリフも上手で全然困りませんでした🥰

 

というか峻郁さん、まろやかな「イケボ」で、ことばのめりはりのつけ方も上手で、間もよくて驚きました。ちょっとゲームや二次元系なアクセントのつけ方かなとも思いましたけど、雰囲気にあっててよかったです。

 

米沢唯さんとの「白鳥」ははじめて、短いですけれど一度見てみたかったのです。黒鳥のパ・ド・ドゥはスピードもバランスも凄くて、ふたりの表情からも目が離せませんでした。こどものための、観客参加タイプの舞台ですがお二人の超絶技巧と気品で、さわやかな余韻が残ったのがさすがでした。

 

夕方4時からの公演は、木村優里さんと速水渉悟さんのコンビでした。優里さんはお正月の怪我以来の新国立劇場の舞台で、長くかかりましたが華麗な復帰でした。踊りが強くなって、発散する表現も凄いです、あとお声もかわいい。

 

渉悟さんのジークフリード王子ははじめて見ました、青春の王子さまでお話にふさわしい感じです。セリフは意外と棒読みでした、なんかイメージと違った(笑) 優里さんとのコンビは弾力があるというか、躍動感が独特で、面白かったです。

 

王子のセリフの多さにびっくりな舞台ですが、これ、テキストはどなたが書いたのでしょうか、プログラムのどこにも記載がないのですよね。まさか都監督とか・・。