朝10時ごろ、渡邊峻郁さんの降板が発表されまして茫然の一日でした。

 

フランツには福岡雄大さん、小野絢子さんとはこの作品で共演ずみ。とはいえ今回は違うパートナーとずっと準備してきたわけで、楽ではなかったはずですが、最後の放り投げなどさすがのコンビネーションでした。回転跳躍もさすが雄大でした、二重の意味で。

 

小野絢子さんは急な事態で、幕あけは少し調子がでなかったようですが、やはり絶妙で、山本隆之さんとのデュエットのニュアンスが素晴らしかったです。

 

初日の突発事態で、ちょっと浮足だった舞台をひきしめたのは山本隆之さんのコッペリウスで、すべてがさりげないのに客席を確実につかんでいくお姿は恐れ入りました。配信のときはローラン・プティよりでしたが、今回はルイジ・ボニーノさんのユーモラス系によっていたかも。プティっぽいダンディも素敵だったのですが~

 

昨日は公開ゲネが行われて、渡邊峻郁さんも素晴らしかったそうで、今日になっての降板は本当に残念でした。怪我でも体調不良でもない、都合により、というのがどういうことなのか、なにか事情があったのでしょうか。

 

冒頭、幕前に吉田都監督が登場されて、一昨年の配信から今回の公演に、寄付のお礼を述べられ、続いてわたなべたかふみは都合により降板する、楽しみにしていた方には申し訳ない、ふくおかゆうだいが心をこめて努めます、と挨拶されました。

 

都さんはちょっと涙ぐんだ様子で、声もふるえて大変な状況だったことが伺えました。気になったのは、無事終演してからのカーテンコールに、作品指導に来ているはずのルイジ・ボニーノさんが登場しなかったことで、主役のおふたりもしきりに下手を気にしている様子でしたので、本当は挨拶をする予定だったのではないでしょうか。バレエ団側とボニーノさん側になにかあったのか、それと峻郁さんの降板とは関係があるのかはわかりませんが、少々普通でないものを感じてしまいました。

 

というか自分の気持ちも普通ではなくて、舞台を見ていてもいつもとは違う感覚でした。峻郁さんのフランツは一昨年の配信映像で見ることができましたが、劇場で、目の前で踊るのを見たかったです。小野さん、山本さんと、どういう空気を発生させたのか、映像ではわからないケミストリーも感じられたのではないでしょうか。

 

プティ自身が踊った舞台も見ていて、ずっと親しんできたプティ版コッペリアですが、まさかの展開でなんとも複雑でした。夜、眠れるかしら😢