2023年1月13日、待望の初日が開幕。直前に代役の発表があって波乱含みでしたが、今日の公演にも波乱が。

 

「A Million Kisses to my Skin」 この作品は今日が日本初演だったのでしょうか? 世界中で人気の作品なのがよくわかりました。キレとイキがよくて、男性3人女性6人の動かし方、組み合わせ方がくるくると面白く、踊りは確かに大変そうなのですが、バッハによりそう振付に無理がないので爽快感抜群でした。

 

渡邊峻郁さん、待望のネオクラシックもので、身体づかいが巧い、かっこいい、音楽に丁寧な踊り、あとついでに米沢唯さんとのデュエットはたいへん色っぽかったです。

 

 

木村優里さんが踊るはずだったパートは中島春菜さんに。峻郁さんと組むところもあったんですね。春菜さん、二日目キャストで同じポジションとはいえまわりが違う中にいきなり飛び込むのは、この作品だとそう簡単ではなかったのでは、飛び出してくる幕開けから華やかでした。9人みなさんよくて、プレミエとして十分すぎるステージでした。高橋優介さんの清潔なピアノも合っていました。

 

休憩をはさんで、「眠れる森の美女」のグラン・パ・ド・ドゥを、ヤスミン・ナグディさんとマシュー・ボールさん。ロイヤル・バレエのバレエ団のスタイルとして眠りはこう踊る!とすみずみまで目が行き届いたオーロラ姫と王子さまで、なんか、衣装がショボかった気がしたのですが、全幕本番用とバレエコンサート用は違うものなのかな?

 

「ドン・ジュアン」はジョン・ノイマイヤー振付で、アリーナ・コジョカルさんとアレクサンドル・トルーシュさん。1972年の作品だそうですが、50年前!大振付家の最初期の作品て、実は大家になってからのよりずっといいことが多いのではと思っているのですが、これもそうかも。コジョカルさんのリフトされ方が神わざの領域でした。音楽はビクトリアとグルック、ルネサンスとバロック後期で100年違い。グルックはオーケストラが演奏して、フルートが大変よかったでした。

 

「シンフォニー・イン・C」は新国では2018年以来、5年ぶりですが同キャストのパートがいくつか、あらま。第2楽章が、小野絢子さんはじめとても雰囲気のあるダンサーさん揃いで見ごたえありました。第4楽章は木村優里さんの代役、吉田朱里さん。この世代が中心になって踊る新国バランシン、という将来が楽しみになる踊りぶりでした。

 

第4楽章から、123楽章それぞれのダンサーたちが順番に出てきてコーダになりますが、第3楽章の池田理沙子さんが、受け持ちパートを踊ったあと、そのまま引っ込んでしまいました。4人のプリマとパートナーが並んで踊る大団円なんですが、3組だけでフィナーレということに。

 

なにかトラブルがあったのでしょう、大丈夫なのでしょうか。廣川みくりさんの休演で、全日踊ることになっている池田さん、さらに明日のミリオン・キスにも登場します。インCは女性が40人同時に出るので、代役の余地がもうないのでは、素晴らしかったけど動揺のカーテンコールでした。

 

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