あけましておめでとうございます

 

今年初めての舞台は、新国立劇場バレエ団の「くるみ割り人形」 2日のマチネは木村優里・渡邊峻郁ペアの主演で、一昨日とほぼキャストは同じ。年越しをはさむと、大晦日とお正月で、同じ演目でも雰囲気が違って見えます。

 

いちだんと華やいだ舞台で、優里さん峻郁さんの踊りも素晴らしい輝きぶりでした。グラン・パ・ド・ドゥのアダージョまで息をのむ展開で見惚れていたのですが、優里さんの「金平糖の踊り」のヴァリエーション、最後のマネージュの回転で舞台後方で転倒して、しばらく場所を見失ったかのように、立ち上がるまでちょっと間がありました。立ってからはすぐ曲においついて踊りおさめました。

 

女性ヴァリエーションの次はふたりのコーダですが、峻郁さんの出だしのジャンプが舞台袖すぎて半分見えず、マネージュも鮮やかでしたが表情が硬くて、あらと思いましたが優里さんともども踊りはしっかり、最後のポーズも素早く決めて、そのあと全員のコーダも、放り投げの回転リフトもきれいに決めていたので、転んだ影響はなさそうだとほっとしました。

 

ですがカーテンコール、主演2人は緞帳前に出るのは全部やめて、全員で並んでいるあいだも峻郁さんが優里さんをしっかり支えていました。優里さんは健気な笑顔で拍手に応えていましたが、峻郁さんが何度も話かけてとにかく心配そうにしていて、観客も察した?のかカーテンコールは最小展開で終わりでした。

 

優里さんの転倒にびっくりしたけれど、そのあとはスムーズに踊れて大丈夫そうと思ったのですが。峻郁さんの血相変えた雰囲気に心配になってしまった本日マチネ公演でした。しばらくたたないと様子はわからないでしょうけど、影響ありませんように。

 

振付つめこみすぎでせわしない、と批判されてるイーグリング版ですが、今日のゆりたかペアはポーズのキマリにむけて、スローモーションのような一瞬を感じさせる神デュエットでした。同じ手数のはずなのにどうしてだろう、と不思議ですが、動きのメリハリのつけかたなのかも。そういう工夫ができる上に、美しくて見た目のバランスも絶妙で、いつかはやっぱり、新国のバレエをひっぱる立場になるペアであろうと確信した初春でした。