2月の臨時登板「眠れる森の美女」が終わると、オペラパレスの本公演(というのか)は、次は5月1日からの「コッペリア」です。こちらはルイジ・ボニーノさん監修なのですが、来日できるのでしょうか、できなくてもリモート指導が可能なのでしょうか。まだちょっと心配。

 

新国立劇場がレパートリーにしているローラン・プティの「コッペリア」、初演が1976年で、そのあとすぐにマルセイユ・バレエ団が1978年に来日公演でもって来ています。これは見たんですよねー、NHKホールでした。

 

なんの予備知識もなくいきなり見たので、グラン・パ・ド・ドゥは? 戦いの踊りとかは? ととても驚いたのですが、プティ自身が踊ったコッペリウスが素敵で、コッペリアの黒のパフスリーブのチュチュも素敵で、マズルカの兵隊さんの踊りもとても楽しくて、でも会場にお子さんが多かったのでこれが「コッペリア」というのは大丈夫なのかなと心配しながら帰りました。

 

「コッペリア」は各バレエ団改訂版を作ったりするけどあまり頻繁にはやってないかも。パリ・オペラ座はパトリス・バール版のまま放置、マリインスキーもヴィノグラードフ版のままになっているのかな。最近の大きいのといえばボリショイのラトマンスキー版なんですが、録画をまだ見てません。

 

ローラン・プティ版はかなりな改変の独自なバージョンですが、ドリーブの音楽が洗い直したように鮮やかに聞こえてさすがです。群舞もダサい民族衣装じゃなくて、兵隊さんとバッスルスタイルのマドモワゼル達だし。コッペリウスはプティが自分で踊るために作ったので、いかにもフランスの伊達男で、プティ自身が踊ったときはシャンパンも燕尾服も似合いまくりでした。ルイジ・ボニーノさんはエレガント系じゃないのでイメージが違うんですよね実は。

 

渡邊峻郁さんは新国に入団したシーズンの「コッペリア」で兵隊さんのアンサンブルに。NHKで放送した映像でちゃんと確認できます、お芝居が細かいです。フランス仕込みのダンサーなのにプティを踊る機会がもっとあればと思っていましたが、今度は晴れてフランツ。小野絢子さんとは先日の「Shakespeare THE SONNETS」があまり凄かったので、スワニルダとフランツは軽く楽しむ感じかしら。オペラ劇場では初めての主演コンビです。というか小野さんは2015年のやはりプティの「こうもり」でエルマン・コルネホと組んで以来全幕主演といえばずっと福岡雄大さんが相手で、違う相手になるのが超久しぶりなんですよね。なんかいくらなんでもと言いたくなる固定ぶりでした。

 

キャスト追加発表があってから「プティ」と思って、家にある「マ・パヴロヴァ」のDVDを久しぶりに見たのですが、いくつかのナンバーは新国でも見てみたいものが。「タイスの瞑想曲」のパドドゥが色々なダンサーが踊る定番になっていますが、マシュー・ボーンより先だった男の白鳥の湖からレダと白鳥などいいんじゃないかなあ。