🔞BL妄想(S×N)














リビングへと戻ったカズが



翔の方へチラリ目を向ける。







「な、何だよ・・・?」





これは、睨まれているのか。





ここに居ることにさえ邪魔、



とか、言わないだろうな・・・








「・・・おはよ・・・」





翔が身構えていると、カズは



ぷいっと視線を逸らしてから


そんな言葉をボソッと漏らした。






今『おはよう』と言ったのか?




なんだ、ただの朝の挨拶かよ?








「・・・挨拶。さっき、

返してなかったから・・・」


「あ、ああ・・・そっか」






訝しげな翔の空気を感じたのか



面倒くさそうにそう言ったカズ。






翔は何となく少し拍子抜けした。





そう言えば自分は挨拶したのに



返ってきたのは『邪魔』だった。





多少は悪いと思ったのだろうか。




実は意外と素直な部分もあるのか。






なにせ、一年も一緒にいるのに



知らないことが多過ぎるのだ。







自分は、カズより2つも歳上だ。





今、二人の関係を修復するなら、



やはり自分が何とかしなくては。








「お、おいおい、待て」





そんな決意をしたその矢先に



カズはまた自分を通り過ぎて


さっさと部屋へ引っこもうとする。





翔は慌ててカズを引き止めた。








「・・・なに・・・?」


「いや、お前メシは?」


「コンビニでも行くよ」


「でも冷蔵庫に食材とか

結構、用意してくれてるぞ。

パンもある。わざわざ買いに

行かなくても何か出来るだろ」







先ずここは自分が大人になって



カズをリードしてやらなくては。





そりゃあいけ好かない奴だけど。






これから先も『Aimant』として



二人で続けていきたいのは確か。





まだまだ可能性は無限大にある。



道半ばで躓いてる場合じゃない。






きっとこれがターニングポイント。







・・・そう、翔は確信していた。