🔞BL妄想(S×N)













「・・・・・・・」






最初はどちらかと言うと



好意を持っていたと思う。






守ってやりたい、なんて。



嫌な相手なら思うハズも無い。







ならば尚更、一体いつから



自分とカズとの間に、溝が


出来てしまったのだろうか。






翔はそこまで考えて首を傾げた。







そう、どれだけ考えても自分は



カズを怒らせるような事をした


覚えが、全くと言って無いのだ。








・・・それでも気づけば、





自分とカズに出来たその溝は



かなり深刻な域まで来ている。






どこかで修復しないときっと



取り返しのつかない事になる。





それだけは翔にも分かっていた。








『今のタイミングでバレたら

アナタ達ここで終わりなのよ?』







・・・この同居は確かに、




いい機会なのかもしれない。










ガチャリ





翔がそんな風に思った時、




向かいのドアが開いて



目を擦りながらカズが現れた。








「お、おはよう、カズ」


「・・・邪魔。どいて」


「あ、ああ・・・悪い」






ちょうど通路を塞ぐように


そこに突っ立っていた翔に



シッシッと払う仕草をするカズ。






慌てて後ろへ下がった翔の横を、



カズが、大あくびで通り過ぎる。







・・・ふわりと香るシトラス。




それから後から来るフローラル。






カズが纏うこの香りは



甘酸っぱい初恋を思わせる。







翔は大きく溜め息を吐いた。