※こちらBL表現がありますので

苦手な方はUターンをm(_ _)m














罪悪感が日に日に増して



こんなに苦しくなるなんて。







・・・本当にバカだ。





オレは正々堂々と勝負して



貴方に勝ったハズなのにね。









「和。みくびるなよ?」





翔は少し苦笑いをこぼして


オレの頬にペチンと触れた。







「お前も言っただろ?

みくびるな、みたいな。

勝負に勝ったんだから

別れる気は無い、って」


「・・・うん・・・」


「俺だって同じだよ。

全力で勝負したつもりだ。

だから今では後悔もない。

俺の覚悟の結果だからな」


「・・・うん・・・」


「それとも、お前のその

罪悪感を洗い流すためには

俺が刑事を辞める、か?」


「っ、そんなのダメだよっ」







貴方にも背負って欲しい、とか



そんなの思ってるワケじゃない。






ただ、これでいいのかな、って。





こんなオレが貴方と一緒に居て



ホントにいいのかな、って・・・








ーみくびるなよー







・・・そうだよね。






お互いにプライドを掛けた勝負。



その結果が今のオレたちの状況。








「お前は、俺と一緒で

なんか不満があるのか?

現状に満足してないとか」


「そ、そんなことないよ」


「だったら別にいいだろ。

今更なこと考えなくても」


「・・・そう・・・だね」







分かってるけど、どうしても



オレは許される側の人間だから。






許す側の貴方が優しすぎるから




オレにほんの少しの申し訳なさ、



みたいな感情が付きまとうんだ。





これはいつまでも拭い去れない。









「ひとつ確かなことがある」





少し考えるようにして口を噤んで



今度は吹っ切れたように笑った翔。







「・・・確かなこと・・・」


「そう。刑事としての俺も

お前に活かされてるってこと。

あの時、お前を逮捕してたら

俺はきっと刑事を辞めていた」


「え・・・っ、な、何で?」


「俺の全てにおいてお前が

俺を動かしてくれてるんだよ。

お前が居ない毎日なんて今は

想像さえもしたくないくらい。

お前がここに居てくれるから

俺は変わらず俺でいられるし

刑事も続けていけてるんだよ」


「っ・・・翔・・・」


「だから和。離れるなよ。

ずっと俺のそばにいてくれ」








貴方にはホントに敵わない・・・






その大きな懐でオレを包み込む。



オレはそんな貴方を愛したから。






・・・離れられるハズない。






貴方が居なければオレの世界も



途端に輝きを失ってしまうだろう。








貴方が居てくれるから



オレは笑っていられる。





貴方が居てくれるから



オレは幸せでいられる。







それは今までも・・・





そして・・・これからも。








「・・・翔・・・愛してる」


「うん・・・俺も愛してる」







月の輝く夜、貴方と出会った。





でも夜に駆ける怪盗はもう居ない。







これからは明るく照らされた道を



貴方と共に進んでいきたいと思った。








「死ぬまで離さないからね」


「それはこっちのセリフだ」







手を繋いで歩いていこう、未来へ。




ずっと笑い合っていよう、幸せに。









陽の光の中で・・・貴方と・・・











                                         [完]