🔞BL妄想(S×N)














翌朝、アラームが鳴る前に


翔は、重い瞼を開いていた。







「・・・ふわあぁぁ」






ベッドで上体を起こしたら



条件反射のように出る欠伸。





いつもと違う環境で寝たせいか



何となく頭も重い気がしている。








「・・・慣れないとな」





自分に言い聞かせるように、



そう呟いて両腕を伸ばした。










「アイツは居ない、か」





リビングには誰もいなかった。






・・・いや、正確には




カズは居なかったと言うべきか。








「本当に何の冗談なんだか」





不本意ではあるがこれが現実だ。






これから先は『相方』のカズと


暮らしていかなければならない。







そりゃ社長の言う通り、世間に


『不仲』を知られたら



マズい事になるだろうとは思う。





だが『同居』など必要だろうか。







これでもオンオフのスイッチは


上手く切り替えてきたつもりだ。




カメラの前では仲のいい2人を


しっかり演じてきたハズなのだ。





翔にはどうにも納得いかなかった。






それでもカズがOKしたのだから



自分がNoと言うワケにいかない。





自分の方がカズよりも歳上なのだ。







それに、これは最初からだったが、



なぜか翔はカズの言うことならば


その通りにしてやりたい、という



よく分からない思いが働いたのだ。







翔にはその理由は未だ分からない。






もう少し心の距離が近くなったら、




この同居が上手くいったとしたら、





いつかその理由も分かるのだろうか。