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頭からシャワーを浴びながら
横目でチラリとカズを見遣る。
ベッドの上でスマホを弄って
その表情はワクワクって感じ。
そりゃ、そんな顔を見るのも
可愛いな、と思えるんだけど。
またオレのこと放ったらかし。
「おいカズ。先にさっさと
フロ入れっつーの。スマホは
あとで見りゃあいいだろ?」
浴室のドアから少し顔を出して
ベッドの上のカズに声をかけた。
「ん〜・・・分かってるよ」
気の無さそうな返事だけ寄こして
やっぱりスマホに夢中なカズ・・・
さっきから呼んでるのにこの調子だ。
そうかそうか、そっちがその気なら。
「おい、全然聞いてないだろ」
「わっ、おまっ・・・か、体
びしょびしょのままじゃん///」
「お前が早く来ないからだろ。
いつも先にシャワー浴びさせろ
とかフロ入らせろとか言うのに」
オレはカズの体に覆い被さって
カズのTシャツを脱がせ始める。
「ちょ・・・っ、やめろっ///
ま、待て待て///脱がせんな///」
「待っててやったのにお前が
早く来ないのが悪い。だろ?」
「だって旅行が嬉しくってさ。
行き先考えて検索してたんだよ。
ちゃんと入るから。ね、どいて」
焦ったようにオレの体を制して
必死に起き上がろうとするカズ。
こんなとこでもよく分からない、
オレの中で何かの感情が生まれて。
結局、言うこと聞いてやれなくなる。
「タイムオーバーだ。残念。
あーあ。フロは後回しだな」
「ま、待ってっ、ってかっ
お前っ、体先に拭けってっ」
「どうせ今から汗かくだろ」
「あ、俺っ、汗かいてるしっ
ほっ、ほらっ、汗くせーからっ
せめてシャワー浴びてっ、なっ」
「別に。お前の匂いならいい」
「っ///お、俺はよくな・・・っ」
とりあえずゴチャゴチャ煩いから
黙らせるために唇を塞いでやった。
旅行先も、フロも、全部、後回し。
こうなったらオレも止まれないし。
・・・まぁ、お前も直ぐに
それどころじゃなくなるから。
「あ・・・んっ、翔っ・・・
きもちいっ、そこ・・・あっ」
・・・・・ほら、な?