🔞右矢印BL(櫻宮)











今までオレは一体、何に


ドギマギしてたんだろう。






悶々と思考を巡らせては、




『オレは歳上だから』



                とか



『返事をせがむなんて

なんだかカッコ悪いだろ』




                 とか。






あれこれ躊躇して我慢してた


この感情、どうしてくれるんだ。









「翔・・・怒ってる、よな」





オレが大きく溜め息を吐いて。




居心地悪そうにしてるカズが



オレの顔色を窺っている様子。






そしてオレの隣に座ってきて



下から上目遣いでのぞき込む。





その顔は可愛過ぎるからやめろ。







「お前にとって、オレって

その程度の存在だったんだな。

告っても意識してもらえずに

誕生日さえ教えてもらえない」


「いや、ホントごめんって。

わざと教えなかったワケじゃ

ないんだよ?ただのうっかり」


「・・・うっかり・・・ね」


「そ、それに、コクるなら

もっとちゃんとコクってよ///

俺の目を見てハッキリ、さ?

あんな意識飛ばす間際なんて

こっちも応えようがないだろ」


「・・・オレのせい・・・か」


「っ、はぁ・・・分かったよ。

こうなったら何でも1つだけっ

お前の言うこと聞いてやるよっ。

NGは無しでっ、どうだっ?」


「・・・本当に何でも、か?」


「おうっ。誓ってもいいぞっ

あ・・・っ、いやっ、えっと///

俺が出来ることだったら、な」






なぜか話が全く予期せぬ方向へ


転がってるけど、聞いてる限り


お前の答えは想像していた通り。





だってコイツ、オレに謝ってる。



必死にオレの機嫌取ろうとしてる。






・・・ということはやっぱり、






「お前さ、オレのこと・・・」






オレのこと好きなんだろ、って。



それだけは聞いておきたいって。





そう思ったんだけど、その瞬間、



オレ、いいこと思いついたんだ。





こんなチャンスめったにないから。








「・・・なぁ。旅行しないか?」


「・・・はっ?りょ、旅行っ?」


「そう。夏休みに3泊くらいで」


「えっ、ど・・・っ、どこへ?」


「お前の好きなところでいいよ。

仲直りと誕プレを兼ねて。どう?」


「っ・・・いっ、行きたいっ///」


「OK。決まりだな・・・乾杯」


「あ・・・うん。カンパーイ♪」








仕方ないからカズ、お前の返事は




・・・もう少しだけ待ってやる。






オレももう1度、今度はハッキリ



お前の望み通り『告白』するから。





だからお前も覚悟を決めておけよ。








シャンパングラスをグイッと傾け、




キラキラとした瞳を寄こすカズに



オレは堪えきれずにフっと笑った。