※こちらBL表現がありますので

苦手な方はUターンをm(_ _)m











しゅんと下がったオレの頭を



翔がポンポンと撫でてくれる。







「どうしたんだよ今さら。

俺たち勝負だってしたろ?」


「・・・ん。分かってる」







そう、翔は刑事である自分を


真っ直ぐに貫くために



オレに真剣勝負を持ち掛けた。







『怪盗金糸雀』が捕まれば



オレは負けを認めお縄につく。





オレが警察から逃げきれれば



正体不明のまま金糸雀は消える。






そうしてその最後の大勝負で



オレは今までで、一番本気で


貴方達から逃げ切って見せた。






そのお陰で今こうして貴方と


幸せな時間を過ごせてるけど。






よくよく考えてみればそれは、



貴方がオレを選んでくれたから。





貴方がオレの秘密をその胸に


しまっておいてくれてるから。







貴方はそれに胸を痛めてない?



頭を悩ませるなんてことない?






この幸せに浸っていられるとき、



ふとそんなことを思ってしまう。








「・・・和。言っただろ。

お前が今一緒にいてくれて

俺はホントに感謝してるよ」


「・・・翔・・・」


「俺は、お前を失う以外に

怖いことなんてひとつもない。

お前が傍にいてくれるだけで

他は何も大したことじゃない。

だから変なこと考えるなよ?」


「へ、変なことって・・・」


「俺はお前に負けたあの時

とっくに覚悟を決めてるんだ。

今更いなくなるな。頼むから。

そんなことは考えなくていい」






刑事としてのプライドが貴方を



とても輝かせて素敵に見せてる。






その貴方の美しい輝きを



オレが汚してるとしたら。






そう思う度に後悔がつきまとう。




あの時、貴方に捕まっていれば。





貴方なら本当にオレの出所まで


待っていてくれたかもしれない。





全ての罪を償ってそれからなら



こんなに罪悪感も残らなかった。






そんなふうに考えてしまうんだ。