🔞BL妄想(S×N)













事務所からほど近い、そこは


見上げるのも首が疲れそうな


高層タワーマンションだった。









「こちらです。どうぞ」





マネージャーにそう促されて


エントランスから一歩入れば、




高級そうな制服を着込んだ


『コンシェルジュ』が



立ち上がり出迎えてくれる。






セキュリティ性が高く、



芸能人御用達のマンション。






・・・と、社長が話してた。







確かにどこもかしこも手入れが


行き届いている印象を受けるし、



住人以外はそう簡単にここには


入れないだろう、とは思うけど。








「・・・お二人の部屋は

三階になります。どうぞ」





エレベーターに乗り込んだら



途端に心臓が音を立て始めた。





これは何のドキドキだろうか。



『相方』はどうだろうか。






手渡されたカードキーで部屋に。







「必要最低限の物は一応

揃えてあります。何か他に

要る物などあれば遠慮なく

私に仰ってください。あと

お二人の荷物は、こちらに

全て運んでありますので」


「・・・あ、そう」


「あとのことはお二人で

相談して決めてください」


「二人で・・・ね」


「では。私はこれで」






マネージャーが頭を下げて



なんでもないように去って。





いよいよ二人きりになって



途端に空気が重苦しくなる。







そう、こんな高級マンションに


住めるなんてのは、間違いなく


喜ばしいことのハズなんだけど、



この『相方』と一緒だってのが


どうしても喜べない原因なのだ。






カズは大きく溜め息を吐いていた。