🔞BL妄想(S×N)













・・・ショウとカズ。





どちらも責任感が強くて



理想に向かい真っ直ぐに


進むタイプなのも一緒だ。




二人とも自分を追い込む


質では無いが、一度でも


約束したことは覆さない。



余程のことがない限りは。





真面目で芯を持っている。





そんな二人だからこそ社長も



二人の『夢』を叶えるべく、


日々、奮闘しているのだろう。







・・・才能は有り余る。




その才能を発揮するだけの


回転の良さやセンスもある。




場の空気を読むのが上手い。



臨機応変に対応することも。





トップスターになるだけの


資質も条件も揃ってるのだ。





売り出し方も大成功だった。




あとは階段を駆け上るだけ。







唯一の懸念があるとしたら、




「じょ、冗談じゃないっ

なんでこんなヤツと一緒に

暮らさなきゃならないのっ」


「同居が、今回のドラマと

なんの関係があるんだっ?」


「俺は無理。よりによって

ショウと二人暮らしなんて」


「気が合うな。俺もヤダね。

野宿の方がまだマシだっての」






人気の一番の理由『仲良し』が



まるっきり『嘘』だと言うこと。




これが世間にバレたら致命的だ。





今の爆発的な人気は泡となって



入れ替わりの早いこの世界から


消え去る未来しか見えてこない。







「アンタ達は仲が良いって

ファンだけじゃなくて皆んな、

世の中はそう思ってるのよ?」


「・・・それは分かってるよ」


「俺たち上手くやってるだろ」


「今までは、ね。ライブとか

ステージ上だけだし。ファンも

騙されてくれてたわよ。ただ、

ドラマの主演、となると違うわ。

色々な媒体に取り上げられるし

取材中も気が抜けないわよ?」


「それも・・・上手くやるよ」


「そうだな。仕事なんだしな」






二人の仲が悪い方で露呈するのは



どう考えたってまだ『早』いのだ。





まだデビューしてたったの一年だ。





もう少し人気を不動のものにして、



もう少し地位を確定してからなら。


 



今はどうしても二人『セット』で


売れているのは間違いないのだから。







「・・・カズ。今のままで

この先には期待してないの?」


「そ、そうじゃないよ・・・」


「ショウは?この先ももっと

売れたいとは思わないワケ?」


「・・・そりゃあ思ってるさ」


「今のタイミングでバレたら

アナタ達ここで終わりなのよ?

才能も実力もあるのに売れない、

そんな卵たちがどれだけ居ると

思ってるの?・・・この世界は

アナタたちが思っているよりも

もっとずっとシビアな世界なの」






社長の切羽詰まったような声に



頭を捻って考える翔とカズ・・・






確かに、自分たちが売れたのは


この社長のお陰だと分かってる。





全ての功績が自分たちの実力だと、



そこまで自惚れてるつもりは無い。







そう、社長が居なかったらきっと




・・・今の自分は無かったのだ。







「・・・分かった。社長が

そう言うなら俺はそれに従う」


「っ、カズッ、本気かっ?」


「よく考えてみなよショウ。

社長が間違ってたことなんて

今まで一つも無かったでしょ」


「そ、そうだけど・・・っ」


「それ以上に自分の我が儘を

通したいならお好きにどうぞ」







この展開も社長の予想通りだった。






カズはとても義理堅い性格だ。




それはもちろん翔も同じだが、



損得を判断して自分にとって


得策へ向かう傾向がカズにはある。





そして不満を口にはしていても



翔は、最後はカズに合わせる。





それがこの二人の、おかしくも


絶妙なバランスとなってるのだ。




そして社長はそれを承知していた。








「くそ・・・っ、分かった。

同居でも何でもしてやるよ」






つまりは全て社長の思惑通りなのだ。