🔞BL妄想(S×N)













「・・・ショウ、カズ。

実はアンタ達にドラマの

出演依頼がきてるのよね」





それは、1st Anniversaryの


ツアーの最終日が終わって、



控え室で社長が放った言葉で。







「ドラマっ?マジっ?」




雑誌を捲っていた手を止めて、



翔は驚いたように振り返った。








ショウとカズを見出した社長。




若い頃はモデルとして、結構


名が知られていたからなのか




『もう20年近く昔の話よ』




社長はそう言って笑い飛ばすが、



その抜群のスタイルは今でも


現役のモデルにだって引けを


取らないほどに保たれている。




そしてその手腕も見事なモノで。






デビュー間もない『Aimant』が


爆発的なヒットを飛ばしたのも、



世の女性達のニーズに合わせて


二人の『世界観』を作り出した


彼女の腕に寄るところが大きい。








「マジ。やってみたい?」


「そりゃ当たり前だろ?」





翔は興奮が隠しきれない様子で



椅子を回転させて立ち上がった。





カズはさほど興味が無さそうに



鏡越しにちらりと社長を見遣る。







「ドラマか。すげーじゃん。

俺の役は?どんな役なの?」


「ショウは主人公の大学生」


「えっ、俺が主役かよっ?」





翔は更に目を丸くし、だが直ぐ


ふたつ空けて座っていたカズに、


鼻でフフン、と自慢げに笑った。




俺が主役ならカズはオマケだな。



と、心の声が聞こえそうな顔だ。







「そ。大学生の恋を描いた

恋愛ドラマになっているわ」


「れ、恋愛っ?マジかっ?

そんなオファーがついに俺に。

え、相手役は決まってんの?」


「・・・ええ。もちろんよ」


「どんな子っ?可愛いっ?」






恋愛ドラマだと、もしかしたら



キスシーンがあるかもしれない。




売り出し中の若い女優さんとか。





TVでもよく聞いたじゃないか。



共演がきっかけで結婚、とかさ。





うーわ、ドラマってヤバいなっ///







「まぁ。可愛いと思うけど」


「マジ?俺が知ってる子?」


「いつも見てるでしょう?」


「え・・・なに・・・を?」






社長の言葉の意味が分からなくて



翔は眉間に皺を寄せて首を傾げた。








「カズよ。アンタの恋人は」


「・・・は?なんだって?」


「ショウとカズ。W主演ね。

今流行りのBL恋愛ドラマ」


「・・・な、なにーっ?!」






後ろへよろけて椅子が音を立てる。




ガタンっ





ハッとしてカズを見ると



さすがのカズも目を丸くして




ジーッと社長を見つめていた。