※今回はカズが登場しません(。-人-。)

智と翔がまたバカなことを企ててます💦













少しばかりお粗末な包装の



ピンク色の紙袋をラグに置き




「さて、お披露目するか」




オレはそう言って息を吐いた。







外では煩いくらい蝉が鳴いて


むわっとした熱気が漂ってて。





ともすればイラつきさえ感じる


こんなクソ暑い日曜の昼下がり。



家に智と2人きりなのも余計に


むさ苦しくて、暑さが増す原因。





なぜ2人きりなのか、と言うと



カズがアルバイトを始めたから。





自分も、少しでも家計の足しに。



カズがそう言い出したのは先週。




もちろん、オレと智は反対した。





カズはそんなことしなくていい。





バイトなんてとんでもないだろ。



その先でどんな男が寄り付くか。






オレと智の意見は合致してたし、



お前はまだ1年生なんだから


今は大学生活を楽しめばいい。




と、カズには却下を伝えたけど、



しょんぼりとしたカズに負けて。





まぁ、日曜の昼3時間だけだし。



カズがそれで満足するならいい。






それにさ、こうやって智と2人



何かと画策する時間も出来るし。







「じゃあまず俺からな?

俺が選んだのは、これだ」





目の前の智は抱えてた袋から


ガサガサとそれを取り出した。






「これ・・・兎の耳か?」


「そう。バニーちゃんだ」





智の手には黒くて長い付け耳。




『バニーガール』のアレだ。





ま、コスプレとしては定番だな。







「お前、普通だな、とか

思ってるだろ。甘いぞ?」




オレの表情から感情が見えた、


と言わんばかりに鼻を鳴らす智。






「普通のバニー、だろ?」


「ちっち。よく見てろよ」





嬉しそうに袋に手を突っ込んで


手にしたモノを床に並べていく。




完成系は、いわゆる、よく見る


バニーガールの衣装じゃなくて。






「え、どうなってんだ?

ちょっと待て、透明だぞ」


「どうだ?すげぇだろ?」






その衣装、隠れてるのは横だけ。


前も後ろも透明で全部、丸見え。




そのクセ兎の尾はついてるんだな。





「ほら、着るとこんな感じ」





智がカタログの冊子を広げて


なんならドヤ顔をしてるけど。






「・・・エロ過ぎだろ///」





これはあまりにも度を越してる。





こんなのカズが着てくれるとは



到底、思えないけど・・・







「流石に無理じゃないか?

いくらなんでも断られるぞ」


「ならお前のチョイスは?

どんな衣装を選んだんだよ」


「オレは・・・定番でいく」






その点、オレのは、まあ普通だ。




これならカズは絶対着てくれる。