※BL妄想につきご注意を。
だだそっと触れるだけの唇。
温かくて優しい翔ちゃんの。
「な・・・なんで・・・」
なんでキスしてくれたんだろう?
まさかこれが『最後』になるから
オレの望みを叶えてくれたつもり?
あっ、それともオレが泣いたから
もしかして『翔』が出てきたのっ?
色々考えたって全く分からなくて。
きっとそれが顔にも出てたと思う。
翔ちゃんがプッと吹き出したから。
「・・・翔ちゃん・・・っ///」
「ふふっ。ごめんね? カズが
あまりに可愛い顔するんだもん」
「か・・・かわいい・・・///」
「うん。昔からカズは可愛い」
どうも『翔』の方じゃないみたい。
その話し方とか声の出し方とかね。
だったら尚さら不思議なんだけど。
今のキスはどういう意味なんだろう。
「翔ちゃん・・・あの・・・///」
「カズ。俺は、お前が好きだよ」
だけどそれを聞こうとしたオレに
翔ちゃんの『好きだよ』の言葉が。
え・・・聞き間違いじゃないよね?
今のはオレに言ってくれたよねっ?
「ずっとカズが好きだったよ俺。
でもカズは8つも歳下の従兄弟で。
こんな気持ち、許されないでしょ。
だから、必死に抑えてただけなの。
かっこ悪い俺を見せたくなかった。
だけどそのせいでカズを傷つけて
泣かせたのはちょっと効いたなぁ」
「・・・翔ちゃん・・・///」
「好きだから、一緒に居たくて。
それで同居も提案したんだけどね。
バカだったよ、俺。よく考えれば
こうなるって分かってた筈なのに。
カズが好きで。我慢もできなくて。
本当に最低だね。ごめん・・・」
「また謝る・・・やだよ・・・
オレは・・・謝ってほしくない。
無かったことにもしてほしくない。
オレは翔ちゃんのこと好きだから。
だから、一緒に居たいし、キスも
いっぱいしてほしい。それから///
やっぱり翔ちゃんが欲しいんだよ。
翔ちゃんに・・・抱いてほしい///」
オレの気持ちは素直に全部出すから。
翔ちゃんも真っ直ぐに受け取ってよ。
お願いだからもう抑えたりしないで。
オレは翔ちゃんと幸せでいたいんだ。
これからも貴方と一緒に生きたいんだ。
「・・・俺、今日は仕事があるの」
「え・・・?う、うん。午後から
仕事だって言ってた。覚えてるよ」
「でも少し顔を出すだけだからさ、
わりと早く帰ってこれるんだよね」
「う、うん。そう言ってた、かも」
な、なんだろ・・・淡々と事務的に
表情もあまり変えないから怖いけど。
何が言いたいのか全く分かんないし。
とりあえず『物件を探そう』とか?
それとも『荷物を纏めよう』とか?
あーっ、悪いことしか浮かばないっ。
「カズには、俺が帰ってくるまで
体を休めておいてほしいんだよね」
あれ、ずいぶん想定外のところから。
体を休めるって・・・なんのために?
「あの・・・翔ちゃん・・・?」
「分からないかなぁ。あのね?
そんな可愛いこと言われちゃうと
俺ももう我慢が出来ないんだよ」
「あ・・・え?えっと・・・///」
「カズの初めてを奪っておいて
覚えてないことも自分が許せない。
ちゃんと実感が欲しいよ。俺も」
「じ、実感・・・って・・・///」
「だから、今夜カズを抱きたい。
全部ちゃんと覚えておけるように
今度はしっかり焼き付けるから」
「ッ、しょ、翔ちゃん・・・///」
「・・・どう?いいかなカズ?」
「うんっ。いいよ、もちろんっ」
「ありがとう・・・大好きだよ」
「オレも好き、翔ちゃ・・・///」
翔ちゃんがもう1回キスをしてくれて
オレの胸にジンと幸せが広がっていく。
オレ、翔ちゃんと居ていいんだよね?
ここで暮らしていっていいんだよね?
翔ちゃんのこと好きでいいんだよね?