※BL妄想につきご注意を。
隣でモゾモゾ動く気配を感じて。
「え・・・な、なんで?」
それからそんな声で目を覚ます。
「ん・・・ん、何・・・?」
「ッ・・・カズ・・・っ///」
視界に映ったのは翔ちゃんの顔。
・・・ああ・・・そうだった。
昨夜『翔』と2人一緒に果てた後、
その『翔』はここで寝たんだっけ。
翔ちゃんがどんな反応をするのか。
オレもその提案に乗っかったんだ。
「ここ・・・カズの部屋?」
予想通り、今ここで目覚めたのは
いつもの『翔ちゃん』の方らしい。
「なんで俺・・・ここで///」
驚愕と疑問符と羞恥と罪悪感と。
なんか色々と見て取れる表情で。
それは初めて見る翔ちゃんの顔で。
・・・そりゃあ驚くだろうね。
だってオレのベッドに全裸で2人。
誰がどう見たって『情事後』だし。
翔ちゃんの体にも多分、残ってる。
散々オレを抱いた後のダメージが。
「ま・・・まさか俺・・・」
スゴく動揺して血の気が引いた顔。
どうやら状況は把握してるらしい。
「・・・翔ちゃん・・・///」
謝るのか、それとも受け入れるのか。
オレもドキドキしながら声を掛けた。
そしたら翔ちゃんは、ビクッとして
肩を揺らしたあと、慌ててベッドを
降りて、そのまま立ち去ろうとする。
待って待ってっ、アナタ全裸だけどっ
って言うか、何か言ったりしないのっ?
「ちょ、待って翔ちゃんっ」
オレも慌てて追いかけようとして。
でも足がもつれてベッドから落ちた。
「っ、いっ、たぁ・・・っ///」
思ったよりも腰と足にダメージが///
「カズっ・・・だ、大丈夫?」
「うん・・・ごめん、大丈夫」
それに気づいた翔ちゃんが戻って
オレの体を支えようとしてくれる。
やっぱり優しいところは変わらない。
「あ、あのさ・・・それって
もしかして・・・俺の、せい?」
「・・・え?・・・な、なに?」
「カズ。腰を・・・押さえてる。
痛い?それは俺のせい・・・?」
「・・・そう、とも言うかな///」
正確に言うと翔ちゃんじゃなくって
・・・『翔』のせいなんだけど///
でも自分がオレを抱いたんだ、って。
そう確心したあとのリアクションは
オレもちょっと楽しみにしてたから。
「・・・ッ、ごめん本当にっ!」
「ちょっと翔ちゃんっ・・・?」
だからって『土下座』は予想外だよ。
そんな事させたかったワケじゃない。
「翔ちゃんやめて。頭上げて?」
「っ、ダメっ。俺を許さないで。
俺、取り返しのつかないことしたよ。
どうやってこの罪を償えばいい?」
あーあ・・・スゴく自分を責めてるな。
これは思ったより手強いかもしれない。
翔ちゃんの頭の固さを忘れていたかも。
だけど、このチャンスを逃したくない。
せっかく翔が作ってくれたチャンスを。
「翔ちゃん・・・好きだよ・・・」
傷つくことを怖がってちゃダメなんだ。
素直に、自分の全てをさらけ出すんだ。
逃げないで、誤魔化さないで、素直に。
「翔ちゃんは何も悪くないんだよ。
だから謝らないで。お願いだから
『罪』だなんて言わないで・・・」
「っ、カ、カズ・・・」
「オレ、今、スゴく幸せなんだ。
翔ちゃんの愛情を受け取れたから」
翔ちゃんも逃げずに、誤魔化さずに
ちゃんとオレに本音を教えて欲しい。
翔ちゃんのその口から伝えて欲しい。
・・・『好きだ』っていう言葉を。