【注】こちらBL表現があります。

苦手な方はUターンをm(_ _)m











スッとサングラスを外し



それをカウンターに置く。





真っ直ぐ向けられた瞳は



薄い茶色の金糸雀のモノ。





オレの大好きなあの瞳だ。








「・・・参ったなぁ。

アンタの言う通りだね。

俺らしくない凡ミスw」






なぜ気づかなかったのか。




やっぱりこうして見ると


全く同じ顔でしかないな。





いや、オレは気づいてた。



自分で自分を誤魔化してた。







「それで、どうするの?

俺のこと・・・捕まえる?」







『先生』と『金糸雀』が


同一人物だって確定したら?





刑事であるオレはもちろん、



このクリニックの主である


『二宮和也』を逮捕する。




そうしなければ、イケない。





そんなことは分かってるさ。




だけどオレはコイツを愛した。





もうどうしようも無いほどに



この男を愛してしまっている。








「・・・逮捕・・・なんて、

出来るワケないだろ・・・っ」


「っ、しょう・・・ッ!」






オレは金糸雀の体を抱き締めた。





この感触も寸分も違わないのに。





そうか、オレはこんなとこでも



気づかない自分を装ってたのか。








「・・・翔・・・苦しいよ」


「・・・白衣を着たままの

お前に『翔』って呼ばれると

何か・・・不思議な感覚だな」


「・・・いいの? アンタは

刑事なのに、俺のこと・・・」






そう言った金糸雀の手は背に回り



オレのシャツをキュッと掴んでて。






戸惑いと、不安と・・・




色んな感情が伝わってくる。







怪盗としてのお前と刑事のオレ。



永遠に、相容れないハズの2人。




それでもお前を離したくはない。








「オレと賭けをしないか?」


「・・・賭け・・・?」







覗き込んだ金糸雀のその瞳は



不安に揺れて少し潤んでいた。








・・・そんな金糸雀にオレは




ニッコリと微笑んで見せた・・・