- ̗̀⚠︎ ̖́-BL表現を含みますので

苦手な方はご遠慮くださいませ。













両親は僕が小学生の頃


交通事故で亡くなった。



居眠り運転のトラックに


うしろから突っ込まれて、



病院に運ばれたんだけど


2人とも帰る事はなかった。




その後、僕を育ててくれたのは


父さん方の祖父だったんだ。



祖父もこの事故の2年くらい前


祖母が病気で亡くなっていて、


しばらく独りで寂しかったから


お前が来てくれて嬉しいよって。



そう言って僕を可愛がってくれた。




けど、その祖父も2週間前に他界。



とうとう僕は本当に独りになった。








「・・・えっと、ここ?」




祖父はたくさんの物を遺してくれた。




祖母と貯めていたと言ってた金は、


その通帳が僕の名義になっていて。



その額に目を見開くことになったし、


その他にも凄く価値ある骨董品とか。



それからもう1つ、都内の一等地に


全6部屋のシェアハウスがあって。



その中の、ひと部屋に住み込んで


管理人として建物を守ってくこと。



それが祖父が遺したもの全てを


相続するための条件でもあった。





「あのシェアハウスはな、

お前のために建てたんだよ。

ワシが逝った後でもお前が

寂しくならないようにって」


「・・・じぃちゃん・・・」


「・・・ワシの想いを・・・

守ってくれるか・・・カズ」


「分かったよ、じぃちゃん。

僕がしっかりと守っていくよ。

だから安心して任せといて」


「そうか、そうか。カズは

ホントに良い子じゃな・・・」





あの時の祖父の嬉しそうな顔が


僕の目に焼き付いて、離れない。




・・・僕は心に誓った。



じぃちゃんとの約束を守るって。




僕のためのそのシェアハウスを


僕がちゃんと、守っていくんだ。






『カズ・シェアハウス』



大きな2階建て一軒家みたいな。



レンガの壁で囲まれている建物。


玄関も普通の家みたいで気楽だ。



その入り口には看板がついてて。




「『カズ・シェアハウス』?

普通『シェアハウス・カズ』

じゃないの?じぃちゃんって

ほんと面白いなぁ。んふふっ」




まぁ、ネーミングはどうであれ


このハウスは祖父の言う通り


本当に僕のためのモノなんだな。



自分の名を付けてくれてあって


それを改めて嬉しいって思った。





『シェアハウスは半年前に

完成したピチピチの新築じゃ。

今の住人は4人おってな?

皆んなワシの友人の息子じゃ』


『いや、家にピチピチってw』


『全員、カズと年も近いから

きっと上手くやれるじゃろう』





じぃちゃんの友達の息子たちか。



どんな人がいるのか楽しみだな。






ドキドキ、ワクワクとしながら



僕は目の前のドアを開いた・・・