※BL妄想につきご注意を。










翌日、目覚ましが鳴る前に

オレは既に起き出していた。


前日あまり寝られなかった

のもあってか、良く寝たな。



・・・昨夜、翔ちゃんは

お酒を飲んでたけど普通で。


つまりあの怖い翔ちゃんは

酔ってたからじゃなさそう

って、やっぱりそんな結論。


ますます夢でも見たのかと

自分を疑っちゃうんだけど。


ま、あれは忘れた方がいい。


例えば、優しい翔ちゃんで

キスとかしてくれるのなら

受け入れられると思うけど。



「抱かせろ・・・って///
いやいや、現実の翔ちゃん
あんなこと言わないよね///」


もしも、いつもの翔ちゃんが

そんなことを言ったりしたら?


オレにはその『覚悟』がある?




「あー。考えるだけムダか」


そんな事には、なるワケないし。


起こりえない事を考えるよりも

今日の事を考えた方が絶対いい。


「そう。お弁当作んなきゃ」



考えない、忘れた方がいい、って、

そう思ってる筈なのに、やっぱり

翔ちゃんにあんなキスされたこと

忘れられないオレがいるんだよね。


もう1度・・・と、願ってしまう。




「おはようカズ。あれ?
お弁当作ってくれてるの?」

「うん。もう出来るから」

「わぁ、それは楽しみだな。
あ、朝ご飯はどうするの?」

「うわっ、どうしようっ?
弁当に夢中で頭に無かった」

「あはは。いいよ。じゃあ
パンでも焼いて食べようか」

「うん。ハムエッグする?」

「お、いいね。ハムエッグ。
じゃあ俺コーヒー淹れるね」



いつもの優しい頭ポンポンも。


そのほわんとした笑顔も全部

オレの大好きな翔ちゃんだな。


やっぱり何かの間違いなのか。


うん、そうだよね、良かった。


・・・良かった・・・よね?





「さぁて、やっと到着〜」


それから翔ちゃんの車に乗って

オレたちは動物園にやって来た。



「オレ、ライオン見たいっ」

「ライオンか・・・じゃあ
こっちの方かな。おいで?」


サッと手を差し出してくれる。

え、手を繋ぐってことでいい?



「な、何か恥ずかしいね///」

「ふふっ。デートだからね」


こ、これって今日ヤバくない?

翔ちゃんの彼氏感が半端ないっ。


また夢見てるとかじゃないよね?




「ほらカズ、ライオンいた」

「わぁ、ホントだ。スゴい」

「やっぱりカッコいいよね」

「うん。翔ちゃんみたい///」

「ん?俺ってカッコいい?」

「スゴくカッコいいよっ?」

「あははっ。ありがとうw
でもカズも凄く可愛いよ?」

「う・・・///そう、かな///」

「ふふっ。そうやって赤く
なるところも凄く可愛いね」

「しょ、翔ちゃん・・・///」



オレを見つめて笑うその顔がね、

めちゃくちゃカッコいいんだよ。


翔ちゃんてホントどこかの国の

王子様みたいに完璧なんだよね。


翔ちゃんならどんな女の子でも

直ぐに落とせちゃうんだろうな。



「そろそろお腹空いたなぁ」

「あ、うん。お弁当食べよ」



やめよう、そんなこと考えるの。


そう、せっかくのデートなんだ。

楽しまなくちゃもったいないよ。


今、翔ちゃんと居るのはオレだ。

翔ちゃんが見てるのはオレなんだ。




「この映画カズ知ってる?」

「結構、話題になってるよ。
戦争で離れ離れになった夫婦の
愛の物語って感じのヤツだよね。
オレも観たいと思ってたんだ」



映画は、翔ちゃんのチョイスで。

お約束のポップコーンとコーラ。


映画館の中は当然だけど暗くて。


翔ちゃんと隣同士、肩が触れて

最初はちょっとドキドキしてた。


でもストーリーに夢中になって

そんなことも気にしなくなって。


物語終盤では涙が止まらなかった。




「・・・はぁ。素敵だったぁ」

「カズ。いっぱい涙出たねw」


翔ちゃんがハンカチを取り出して

頬に伝っていた涙を拭いてくれる。


そんなとこに、またドキッとした。



やっぱり紳士な王子様なんだよね。