※BL妄想につきご注意を。











既に朝ゴハンには遅い時間。

とりあえず、デリバリーで。




「もうブランチだねw」

「・・・ごめんなさい」

「あはは。いいんだよ。
どうせオフなんだからw
2人でゆっくりしよう?」

「う、ん。そう、だね」



あれから翔ちゃんはホントに

いつもと何ひとつ変わらない。



オレの体調が悪くないかって、


『大丈夫?』『本当に?』


って、スゴく心配してくれて。




結局、昨日のあの翔ちゃんは

何が原因だったんだろ、とか

オレも色々考えてたんだけど。


翔ちゃんの方も昨夜のことを

気にしてる素振りとか無いし。


やっぱり酔ってただけなのか

記憶が残ってないみたいだし。


あの唇でキスされた筈だけど、

あまりにも翔ちゃんが普通で。


だから段々オレも昨日の事は

忘れてってたんだよね、正直。



あ、でもさすがに夜になって、

翔ちゃんがガラスの棚の中の

ウイスキーを出してきた時は

やっぱり少し不安になったよ。



「あ、翔ちゃん・・・さ、
それ飲む・・・の?お酒」

「ん?明日も休みだしね。
なに?カズも飲みたいの?
ふふ。未成年はダメだよ?」

「う、うん・・・だよ、ね」



いやいや、オレより翔ちゃんは

大丈夫なの?って聞きたいけど。


でも特に何も変わることもなく。


もともと翔ちゃんはお酒も強い。

父さんがそう言ってるの聞いた。


昨日だって、特に飲み過ぎてる

なんて事も無かったのに、何で

あんな感じになったんだろうか。




「そうだ、明日どうする?
どこか出かける?それとも
また家でゆっくり過ごす?」

「あ・・・うん、そうだね。
翔ちゃんは?何したいの?」

「俺はカズのしたいことに
付き合いたいな。買い物とか。
あと遊園地とか、動物園とか。
映画とか見るのもいいよね?
夜にはレストランで食事して」

「な、なんかデートみたい///」

「ふふ。俺とデートしようか」



あ、いつものほわんとした笑顔。


やっぱり翔ちゃんは優しいよね。

昨夜のは何かの間違いなんだよ。


もしかしたらオレの夢だったかも。


そう、そうだよね、きっとそうだ。




「じゃあね。今日はちゃんと
よく寝るんだよ?睡眠不足じゃ
思いきり楽しめないからね?」

「うん。分かった。おやすみ」



部屋の前まで送ってくれたりして。

また頭をポンポンってしてくれて。


その笑顔がホントにカッコ良くて。



もう昨夜の事は考えない事にした。

だって翔ちゃんは翔ちゃんなんだ。


とても優しくてとてもカッコいい。



その大、大、大好きな翔ちゃんと

明日は『デート』できるんだから。



分かってるよ、翔ちゃんはきっと

ほんの冗談のつもりで言ったんだ。


でもオレはそれでも嬉しいんだよ。



そうだっ、明日は少し早起きして

お弁当なんか作ってもいいかもね?




「あー・・・楽しみだなぁ」



楽しみ過ぎて寝つけそうにないな。


いや、しっかり寝なくちゃダメだ。


思う存分、楽しむためにも睡眠は

やっぱりとても大事だと思うから。



早く寝て早く起きてお弁当作って。

それからそう、動物園がいいかな。


そこでお弁当を食べて、その後は、

映画見てショッピングを楽しんで。


それから夜はレストランへ行って。


ホントに大人のデートみたいだな。




「・・・大人の・・・か///」



昨夜は、だいぶ大人のキスだった。

唇とか舌の感触とかリアルだった。


あれが夢だったとは思えないけど

でも現実で翔ちゃんがあんなこと

シてくれるワケもないんだし・・・



『抱かせろって言ってんだよ』


もしあのまま逃げ出さなかったら

最後までヤられちゃってたのかな。


翔ちゃんになら良いって気もする。

でも、やっぱり怖い気持ちもある。


いつもの翔ちゃんで優しく、なら。



「・・・バカみたい・・・」



あんなのはただの夢だったんだよ。


それ以外にあんなのあるワケない。