※BL妄想につきご注意を。











・・・それから数ヶ月後。




志望してた大学にめでたく


合格出来たってことで今日、



オレは生まれ育った家を出る。






「絶っ対に翔ちゃんに

迷惑を掛けないことっ!」


「うん。分かってるよ」





母さんは合格発表の日から


やたらとそればっかり言う。




自分が『発案者』なのにさ。




それに自分の息子のことも


もう少し信用してほしいよ。



オレだってその辺のことは


ちゃんと分かっているんだ。



今回は3日間だけじゃない。



これから翔ちゃんとずっと


同じ屋根の下で暮らすんだ。




迷惑かけて嫌われないように。



それはホント気をつけなきゃ。







「・・・告白するのも

翔ちゃんには迷惑かなぁ」





何度も好きだって伝えたけど


オレに対して『恋愛感情』を


1mmも持って無いってのは


もうイヤってほど分かってる。



そもそも本気にもしてないし。





はぁ、もういい加減オレもさ、


ここら辺で翔ちゃんのことは


きっぱり諦めた方がいいのかな。




新しく大学生活が始まるんだし。



彼女とか出来るかもしれないし。








「カズ。いらっしゃ〜い」


「・・・翔ちゃん・・・」


「あれ、ごめん。違うね。

もう『おかえり』だったね」






そんな風に笑うその顔が好き。



目尻を下げてほわんって笑う。


その笑顔に何度、癒されたか。





・・・やっぱりムリだよ。



翔ちゃんを諦めることなんて


オレには出来そうにないから。




だからこのままでいさせてよ。



このまま大好きでいさせてよ。





そのくらい・・・いいでしょ?