【注】こちらBL表現があります。

苦手な方はUターンをm(_ _)m











「ふふ。苦しいって」







金糸雀の手がリズムを取って



優しく背中を叩いてくれてる。








夢じゃないんだ・・・って、





本当に金糸雀だ・・・って。







そんなふうに実感が出来て、




涙がどんどんこぼれ落ちて。









そうしてしばらくは黙って



ぽんぽん、とオレの背中を


叩いてた金糸雀だったけど、




突然、体をブルっと震わせる。









「ど、どうした・・・?」






驚いて、咄嗟に離れたオレは



金糸雀に逆に抱き締められて。









「もういい加減、寒いのよ。

家の中に入れてくれない?」


「あ・・・ああ、そういや

ずいぶんと冷えてるな、お前。

どのくらいここに居たんだ」


「さあ?・・・って言うか

アンタだって冷えてるけど」


「・・・先・・・風呂か?」


「そうだね。出来れば凍死

する前に、温まりたいよね」








ふっとお互いに笑ったオレたち。






なだれ込むように部屋に入って



上着だけ脱いだら風呂場へ直行。








浴槽にお湯が溜まるまでは



シャワーを浴びて待つことに。






浴室は、あっという間に白く



モヤモヤと湯気が立ち込める。









「ほら、髪も冷えてる」


「わぷっ、ちょっとっ」







シャワーヘッドを掴んだら



金糸雀の頭から湯をかける。









「おい、ジッとしてろ」







全身、早く温めてやらないと



風邪ひかれたらオレが困るし。








「俺よりアンタの方が

冷えてるでしょ、貸して」


「あ、おいっ・・・」


「はい、温かいでしょ」


「オレはいいんだって」


「だめっ。刑事さんが

風邪ひいてちゃ、カッコ

つかないじゃない。ね?」


「お前が活動休止するなら

オレは暇だから別にいいの」


「そういう問題じゃないよ」







なんだかんだ言いながら2人で




シャワーの取り合いしたりして。








「お前の方が体が弱いだろ」


「なに、決めつけないでよ」


「いいから大人しくしてろ」







で、埒が明かないと思ったから



金糸雀を右腕で抱き込んで




その体にサーッとシャワーを。








「・・・あれ・・・」


「・・・・・・・・」







そこで2人ともハッと気づく。







こうして『密着』していれば、




交互に浴びなくてもいいんだ。









「・・・ぷっ、やだ・・・」


「ふっ。何だ、最初っから

こうしてれば良かったんだ」








お互い顔を見合わせて笑って。








そして、どちらからともなく




オレたちは唇を合わせていた。