【注】こちらBL表現があります。

苦手な方はUターンをm(_ _)m










洗面所でタオルを2本



お湯に濡らしてしぼる。







「・・・よしっ」







金糸雀はまだグッタリと



ベッドの上で伸びていて。





やり過ぎた事を少し反省。






あ、本当にほんの少しだけ。







「だってお前も悪いし」






まぁ、自覚はないだろうけど。








金糸雀の腹には2人分、の。




そして背中も、だったっけ。






そんなこと考えてしまうと



つい心の中で笑いが漏れる。







だけど・・・これは参った。





腹側はキレイに拭えたけど、



これひっくり返したらまた


なんの意味もなくなるよな。




背中も拭いてやりたいのに。






とりあえずバスタオルでも



下に敷くしかない・・・か。









「おい、起きられるか」






オレはバスタオルを手にして



その頬をぺちぺちと軽く叩く。







「・・・んぅ・・・ん」


「あ、やっぱダメかw」






死んでるんじゃないだろうな、



ってくらいに戻らない金糸雀。





仕方なく、その腰を浮かせて、



なんとかバスタオルを敷いて。





それから金糸雀をうつ伏せに。








「はぁ、とんだ重労働だ」






呑気に寝やがって、コイツは。





オレだって体力消耗してるし



ホントにヨタヨタだってのに。







・・・とか、愚痴りつつ。





もう1本のタオルで 背中側も。





既に乾いて張り付いた 体液を



丁寧に丁寧に 拭い去っていく。








「よし、こんなもんだろ」






何だかんだでもう6時になる。




何をやってんだろう、オレは。






くつくつと笑いが込み上げる。









「・・・珈琲。淹れるか」








とりあえず、朝になったから



約束だった珈琲を用意しよう。






だから、早くその瞳を開いて



またあの笑顔を見せてくれよ。






揶揄うようにクスクス笑って



そうしたらオレの事を話そう。





そしてお前の話しを聞かせて。





それは、珈琲を味わいながら。






今日は2人で色んな事を話そう。







・・・インスタントだけど。









「ふ・・・ふはっ、はは」









そうして、笑って迎えた朝は





何となく柔らかく穏やかで




幸せな気持ちで溢れていた。