※BL表現を含みますので

閲覧は自己責任でお願いします。











終始、無言の車中に




不安は増幅していた。








ニノは家の中に入っても



オレを促すでもなく


ただ背中を見せているだけ。






そこにはハッキリしとした



『拒絶』の意志が見える。







何度、考えたって分からない。





なんの話し合いも要求もなく、



お前はオレとの別れを勝手に


決めているというのだろうか。









「・・・ニノ・・・」





頼むからこっちを向いて



いつもみたいに笑ってよ。







オレのこんな懸念を



『バカだね』って。





『別れる?なんで?

そんな訳ないでしょ』





そう言って笑ってよ、ニノ。








最近は少し疲れていただけ。




オレは独りで不安になって



弱気な妄想をしているだけ。






きっとそうだよな、ニノ?









「っ・・・翔ちゃん、

ごめん・・・俺・・・」






その後ろ姿の肩を掴んで



クルリとこちらに向かせると、





ニノは眉間にシワを寄せて



それは申し訳なさそうな顔。





その瞬間に嫌な汗が滲み出る。









「終わりにしたいんだ。

俺達の関係・・・今日で」


「は・・・?な、何で?

な、何だよ、冗談だろ?」


「・・・本気だよ・・・」


「っ、ニノ・・・ッ」


「い、今までありがとっ。

これからはメンバーとして

普通に付き合っていこうよ」






ぎこちなく無理に笑った顔。





本気で別れたいと言ってる。






ニノは本気でオレと・・・っ








「ふ・・・ざけんなよっ

何で急にそうなんだよっ」


「痛っ、や、翔ちゃんっ」






肩を掴んでいる手に力がこもる。





脳みそが沸騰したようになって



怒りなのか何なのか分からない。








「やっ、やだっ・・・ッ」









ニノをソファーに押し倒して




オレはその体に覆い被さった。