→「あぶない▲カンケイ」

まずはHRから🔻是非どうぞ😊

第1章💙「アオハルなんて大嫌い」

第2章❤️「赤裸々な幼なじみ事情」

第3章💛「その関係、黄信号です」

以上、それぞれが語りの3部作です💕


🔻🔻🔻こちらから飛んでください。



そして本編1限目は🔻こちら😊


🔺こちらは全36話になってます。










BL❤️💛💙閲覧注意❗


この🔺3つのハートマークの

いち番前にあるハートの色と

語り手がリンクしております。

つまり今回は翔ちゃん❤️(^^♪

これはHRから共通してます。

と、今更だけど補足(笑)









「・・・終わった」





肩から下げた鞄を漁り


家のカギを取り出して、


オレはひとつ溜息を吐いた。







田舎を出て大学に進学して、


新学期からはオレも3年生。




学業とバイトに追われて


目の回る日々だったけど、



耐えに耐えたこの2年間。




オレにはゴールがあった。





そのゴールを明日に控え、



オレは達成感を感じていた。







「今まで頑張ったな。

いよいよ・・・明日だ」





今日までの日々と明日から。



たった1日を隔てるその壁は


あまりにもデカかったけど、



こんなことを考えるのだって


今日でもう終わりなんだ・・・





オレはニヤリと口角を上げて


ガチャリと玄関の扉を開けた。








「おう、おかえり翔」


「わっ、さ、智っ?」





誰も居ないと思ってたから


さすがのオレも少し驚いた。






「お前、帰ってたのか」


「メシ用意してるから

先に手、洗ってこいよ」





この男はオレの幼なじみの智。



・・・幼稚園からの腐れ縁。





オレ達は今、一緒に暮らしてる。







「どうしたんだよ。

今日の飯当番オレだろ」





オレは、スープを啜って


目の前の智に問いかけた。




いつも面倒くさがってるのに、


一体どういう風の吹き回しだ?






「ん〜、なんだかさぁ、

メシ作れるのも、今日が

最後かなぁ、とか思って」





そう言う智の表情も、さっきの


ニヤリと笑いが漏れたオレと同じ。




・・・とても嬉しそうだ。






「ああ、そうかもな。

オレは・・・多分たまに

作ると思うけど・・・」


「え〜、やめろよお前。

俺はアイツの飯がいい」


「それはオレもだけど

任せきりだと負担になる」


「う・・・まぁ・・・な

それは・・・そうだよな」






途端にシュン、と項垂れて


口を尖らす癖も変わらない。




そういう顔をされるとさ、



オレが悪い気になるだろ?







「・・・メシ食ったら

電話・・・してみるか?」





仕方なくそう言ってやると


パアッと明るくなるその顔。




・・・全く単純なヤツだ。







「おっと悪い、電話だ」





その時、ちょうど震えた携帯。



今、話に上がった可愛い顔が


どうしても浮かんで期待する。






「・・・何だ違った」


「・・・はぁ・・・」





智もどうやら期待してたらしく


目に見えてガッカリ肩を落とす。






「ああ、それなら後で

返してくれればいいから」





しかも相手は大学の同級生で


全然、大した用事でも無いし。



つい応対が無愛想にもなった。





ところが、その電話を切って


すぐに再び震えたオレの携帯。





(まだなんか用なのか)





なんて油断してたオレの耳に、




ーもしもし翔ちゃん?ー




届いたのは愛しいアイツの声。






「か、かっ、カズっ?」


「えっ?カズなのっ?」





智も嬉しそうに身を乗り出す。




オレは携帯をスピーカーにして


テーブルの上にコトンと置いた。







ー翔ちゃん、智も。元気?ー


「ああ。オレ達は元気だよ」


「カズ俺もっ、俺も元気っ」


ーふふ。そうみたいだね?ー


「お前は?体調は万全か?」


ーうん。もちろんバッチリー






3日ぶりに聞くカズのその声に



オレと智は、揃って涙目だった。







「カズぅ、はやく来いよぉ

もう2ヶ月も会ってないし

俺、寂しくて死にそうだよ」


ーもぉ智?明日になったら

その後ずっと一緒でしょ?ー


「そうだけど・・・でもっ

なるべく早く来いよ、な?」


「お前は朝から仕事だろう」


「うっ、休んじまうかなぁ」


ーこら智。それはダメだよ?ー


「・・・わかってるよぉ」


「ま、カズはオレに任せろ。

カズ?駅まで迎えに行くから

着いたらまた電話してくれ」


ーうん、ありがと。じゃあ、

もう切るね?・・・俺も明日、

2人に会えるの楽しみにしてるー







・・・楽しみに、か。





そう、オレだってこの日を


どんなに待ちわびたことか。




今日までこのために頑張ってきた。






明日からはオレと、智と、



そしてカズ。




3人での生活が始まる。