夏の夜の 有明の月を 見るほどに 秋をば待たで 
風ぞ涼しき       
                                           京極師通

(なつのよの ありあけのつきを みるほどに あき
 をばまたで かぜぞすずしき)

意味・・夏の夜の有明の月をながめていると、秋の
    来るのを待たないで、涼しい風が吹いて来
    ることだ。

 注・・有明の月=20日以降の月。夜明け近くまで
     出ている月。
    見るほどに=見ているうちに。見ている間。

作者・・京極師通=きょうごくもろみち。1062~10
    99。従一位太政大臣。

出典・・拾遺和歌集・230。