庭の面は まだかわかぬに 夕立の 空さりげなく 
澄める月かな          
                 源頼政

(にわのおもは まだかわかぬに ゆうだちの そら
 さりげなく すめるつきかな)

意味・・庭の面(おも)はまだ乾かないのに、夕立を
    降らせた空は、そんなことがあったという
    様子もなく、澄んだ月が出ている。

 注・・さりげなく=「夕立の空がさりげなく」と
    「さりげなく澄める月」に二重に働いてい
    ます。

作者・・源頼政=みなもとのよりまさ。1104~1180。

出典・・新古今和歌集・267。