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なかなかに 思へばやすき 身なりけり 世にひろわれぬ
みねのおち栗         

                   橘曙覧

(なかなかに おもえばやすき みなりけり よにひろわれぬ
 みねのおちぐり)

意味・・考えてみるとかえって気楽な身の上だなあ。山の
    中に落ちた栗が拾われないように、人に期待され
    ない身としては。

 注・・みね=身と峰を掛ける。
    おち栗=作者自身をを暗示。

 

作者・・橘曙覧=たちばなあけみ。1812~1868。早く父母

    に死別し、家業を異母弟に譲り隠棲。福井藩主に厚

    遇 された。

 

出典・・岩波文庫「橘曙覧全歌集」。