昼顔や どちらの露の 情けやら
良寛
(ひるがおや どちらのつゆの なさけやら)
意味・・昼顔が夏の暑さにもめけず、愛らしく
咲いている。その可愛らしさは、朝露
の趣を受けたのか、それとも夕露の趣
によるのか、思い迷うことだ。
昼顔は、昼に花が咲いて夕方にしぼむ。
横井也有の句に「昼顔やどちらの露も
間に合わず」があり、朝露にしても夕
露にしても、時間的に間に合わないと
いう。
昼顔は朝露にも夕露の影響は受けてい
ないのは、もちろん良寛は知っている
のだが。どうしてこのように句を詠ん
だのかなあと思います。人も同じだが
間接的に多くの方から恩恵を受けてい
るのですよと、言いたいのかも知れま
せん。
作者・・良寛=りょうかん。1758~ 1831。
出典・・谷川敏朗著「良寛全歌集」。