杜鵑・池上秀畝画
ほとどぎす 一声なきて 片岡の 杜の梢を 今ぞ過ぐるなる
藤原為世
(ほとどぎす ひとこえなきて かたおかの もりのこずえを
いまぞすぐるなる)
意味・・待っていたほとどぎすがやっと一声鳴いて、片岡の
森の梢の上を、今飛び過ぎていく。
早朝の明るくなる頃、木の梢も美しく見え始め、鳥
の鳴き声も聞きたいところと心待ちしている時に、
一羽鳴きながら飛んで行った情景です。
作者・・藤原為世=ふじわらのためよ。1250~1338。正二
位権大納言。
出典・・続後拾遺和歌集。